えっ 生命の誕生が地球からでなく 彗星からだって 宇宙の博士さん 今日の講義もぶっ飛んでいるなあ 俺たちの祖先は海からだと思っていたけど どうもそれは違うという理論が有力らしいよ それがさあ 時速60,000キロで太陽系の果てから 飛んでくる彗星に俺たちの起源があるらしいよ もう なんてこと言っているんだよ博士! そんな感じで聴いていたんだけどさ まず 60,000キロの速さってどんなの? スペースシャトルが28,000キロっていうから うーん 全然わからないくらい速いってことだね それで どうして太陽系運動会で一等賞の彗星が 俺たちの起源と結びつくんだよ あまり嘘っぽいこと博士が言うから この講義をBGMに寝てしまおう そんな衝動に駆られたんだ だけど どんな風に博士が作り話を続けるのか 興味があったからけっきょく 全部聴いたんだけどね 講義には人間って凄いなあ そう思える話しもあってさ その超高速の彗星に人工衛星を着地させ 吹っ飛ばされないようにしながら 情報を地球へ送ったりするんだって やっぱり人間のやることもなかなか凄いじゃん それでね この理論の裏付けとなる物質があってさ それが 彗星から確認されたアミノ酸ってわけだ これはね 地球にあるアミノ酸が彗星にもあるってことは 彗星が地球に衝突したから 生命の起源に必須なアミノ酸は彗星から来たという 仮説が立てられるわけさ ふふん 今の俺 博士っぽく語っていたでしょ もうこの辺の話しになったら こりゃ博士の作り話ではなさそうだ そんな感じで耳はダンボになっていたよ そして この起源の理論は研究者の中では けっこうスタンダードらしいよ 凄いじゃん 人間 俺達ってさ 地球人? 彗星人? う〜ん じゃあ彗星と地球のハーフなのかい なんか今までの地球人という括りすらなくなっちゃって こうなるとさあ 肌の色や生まれた場所くらいで差別する 人種差別なんてなくなるんじゃないか ねえ そうだろ 俺たちみんな太陽系の雑種なんだからさ それにしても博士って 彗星ぐらいぶっ飛んでるよなあ 想像も出来ないことばかり 掘り出して行くんだからさ スケールがデカ過ぎの話で 俺も今回ばかりはぶっ飛んだよ ほんとうに 今回の講義は最高だったよ 俺の成績の悪さなんて関係ないってくらい ぶっ飛んでいたよ えっ レポート? もちろん出すよ!