ティミッドワーカー
Sep
18
ぎこちない朝の始まり
いつものコンビニストア
いつものお兄さん
おにぎりは別にしますか
ああ すぐに食べるから
手にしたおにぎりで
ズボンのポケットをふらませる私
一向に芝居が上達しないふたりの会話
階段か
エスカレーターか
優柔不断なティミッドワーカー
結局 エスカレーターだ
下腹に手をやり
まだこれなら・・・
おにぎりを頬張り
根拠のない大丈夫保険に入る
ひじ鉄が私の背中に
ゴリゴリくる
メガネを曇らせ
車内で小競り合い
私はそいつの頭を
叩いてるイメージで
飽和状態寸前
でも
私のチンケな良心が
しつこく囁く
ここは我慢しろ
ここは我慢だ
お前には家族がいるんだろ
我慢だ
まあ ケンカする度胸もないけど
あの あのですね
その肘が背中にあたって
とても痛いのですが・・・
混んでるんだからよ
グチャグチャ言うんじねえよ
はい すみません
なぜか私が謝っている
気弱なティミッドワーカー
電車は新宿を抜ける
私から二十センチ範囲内には
もう誰もいない
そう誰もいない
ここは
私のアナーキーエリアだ
四分の一畳の幸せにホッとする
んっ
お嬢さんが
私の顔をちらり
またちらり
これはあのお笑い芸人の
それって
おいらに惚れているんじゃないの
ドンピシャで
頭の中 ハモっている私
やはり自惚れティミッドワーカー
それって
お嬢さんの知り合いに
似ているだけじゃないの
また頭の中でハモっている
天然ティミッドワーカー
なんだかんだで
やっと職場に着く
更衣室にはまだ誰もいない
ひとりで寂しいティミッドワーカー
もうそのティミッド何とかという
ノリはやめようぜ
自分ツッコミ
つり革にぶら下がった
手にはバイ菌
私にはよく見える
ああ 気持ち悪い
洗面台で
ブクブク泡立てて手洗い
そして
今朝もヘアがキマっているのか
鏡をチラリんと
あっ
キマって・・・
てっ言うか
大きなごはん粒
ほっぺに
付いてるじゃないか
これか・・・
あの時のお嬢さんは・・・
私のことを・・・
なんだか
なんだかだな
ふっう
説明しようもないため息
すでに疲れた
私は恥ずかしの
呆れたティミッドワーカー
まあ それでも結構
朝のイベントを楽しむ
懐の隙間はまだあるようだ
そう 私はポジティブな
ハッピーヤッピーヒッピーポッピーピッピー
ティミッドワーカーさ
おいおい
朝から意味不明だし