孤独の糧
Oct
10
流れてくる音楽がある
それは楽しい曲ではなく
悲しげだったりする
でも
そこは自分に近づける場所
身知らずの風に揺れながら
生まれて来た温かさと
死ぬ冷たさを感じているような
響いてくる自分に自分が噎せながら
憧憬に潜り込んでゆく
家族や友のいない世界
やはりポカリと穴が空いてる
そこを塞ごうとする自分が現れ
孤独について語る
とても静かなところだ
寂しいけど怖くないところだ
此処は自分しかいないところだ
こころは最初からひとつなのにどうして
孤独を感じてしまうのだ
ひとりではなかった幸福があったから
孤独を感じてしまうのだ
そうやってひとは寄り添うために
孤独の音楽を聴くんだ
時としてひとは
始まりと終わりしかない世界に
癒されては社会へ戻ってみるものだ