Search Bloguru posts

詩は元気です ☆ 齋藤純二

https://en.bloguru.com/shoboter99

freespace

⚪︎ X (旧Twitter) 齋藤純二
https://mobile.twitter.com/@shoboter123

⚪︎リンク 🔰初心者向け詩の掲示板
https://www3.rocketbbs.com/13/bbs.cgi?id=mydear

⚪︎リンクㅤネット詩誌『MY DEAR』
http://www.poem-mydear.com/

⚪︎MY DEAR 詩の仲間たちツイッター
https://mobile.twitter.com/mydear2000s

“ # ” のついたタイトルはツイッター詩(140文字以内)

月の君と僕

thread
君は僕の月でした。

けして太陽のようにキラキラした存在ではなく、薄暗い魅力を持っていた。過去は語らず、微笑みを忘れたかのように振る舞う女の子。僕が積極的に関わろうとしなければ、いつでもゼロの関係になってしまう。だから話し掛けていなければ君の気持ちは、何処かへ舞ってしまう気がしていた。野良猫のようにすぐに消えてしまい、僕は憧れを探すように街をふらつきながら恋しく思う。間違いなく君が好きであった。

「そう」

あの声は今でも僕の耳にこびり付いて離れやしない。必ず話し掛ければ、反応はしてくれる。それが嬉しくて。一度だけ彼女が微笑んだこともあった。僕が一匹の蟻を踏んで潰してしまった時に、「ゴメンよ」と言った時の情けない顔を見てのことだった。その時は、蟻を殺してしまったことではなく、おどおどしている僕のことが可笑しかったのだろうと思っていた。そして、その微笑みは世界がひっくり返るくらいの驚きがあり、微かに君と繋がった糸を感じていた。

変な自信があった。君を幸せにできるのは僕だけだと。そこには安らかな自分がいて、苦にならない必死さがあって、僕が僕らしくいれる何かが君にはあったのかもしれない。

しかし、僕は絶望を知った。

君はある日、突然、僕なんて存在していなかったように自ら命を絶った。それからというもの君が僕の中で強く生き続けた。僕は微笑みを忘れていった。君は知っていたんだ、この世の哀しさと不憫さを。

あの微笑みは無垢な僕への優しさだったんだ。

君がいなくなると僕は暗闇を背負いだした。ひとの話を「そう」と頷く僕の声は、月の君のように冷たい刹那へ響いていた。

#詩

People Who Wowed This Post

  • If you are a bloguru member, please login.
    Login
  • If you are not a bloguru member, you may request a free account here:
    Request Account
Happy
Sad
Surprise