帰宅電車
Nov
11
様々な広告がぶら下がり
餌に食いつくのを
待っているかのように
〇〇部門の売り上げ一位
若返ります〇〇
超一流の〇〇力
〇〇の新発想
〇〇の改善
詳しくは〇〇サイトへ
生きていくために
一生懸命な人びとを乗せ
宣伝電車は走る
やっと座れたものなら
揺られる心地よさに
身知らぬひとの肩を借り
押し返されては
「すみません」と謝りまた眠る
再び目を覚ませば
ここは何処だろうと慌てて
時間に追われ
疲れを引きずり
今日という日は終わりを告げる
夜に明かりを零しながら
家路を辿る電車
明日へ繋げと走り続けて行く