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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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仲間

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時間は過ぎてしまうばかりではない

突然、懐かしい声が聞こえる
電話口の向こうでは歳をとらないかのように
三十数年前の仲間が「同窓会をしよう」
と、その声は若く自然に私も時間を遡る

バスケットボールに汗を流していた中学時代
冴えるプレーをしていた訳ではないが
そこに青春らしきものを見たりする

仮入部で部活動に参加する
二時間程、膝に手をあて構えの姿勢
ナイシューとか声を出し
ボールなんて触らしてくれない
この知らない世界におどおどしていた
気が付けば五十人程いた仮入部員が七人に

先輩に扱かれ辞めたら楽になれる
毎日のように退部を考える
けれど「辞めます」の一言が出なかった

先輩の休憩中に
やっとシュート練習が出来るようになる
ろくに教えてくれないのに
コートへ戻る先輩にフォームが悪いと怒られる

理不尽ばかりのきつい日々なのに
よく耐えてバスケットバールをしていた
その持続には仲間なしでは語れない

なぜこんなに自分は頑張っているのだろう
肩で息をする仲間の姿を見れば
その理由などある訳でもなく
ただひとりではないという連帯感だけだった

初めて自分が追い詰められた世界
そこにはその先の様々な困難へ立ち向かう
自信を養う時間があったに違いない

何十年経とうが輝きを放つ時代
電話一本あれば時間は遡ってしまう
そんな仲間がいるという誇りは
消えることなく微笑むことができる


#詩

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