いってらっしゃい 自動販売機から声を掛けられ 缶コーヒーを握り いってきます、と歩き出す 冷たい風が頬を撫でると 今日の新鮮が少し気分を乗せる 身を流れに任せたゆっくりとした変化 襟を立てれば遠くの景色が見えてくる なんでもない朝なのに 過去の時間たちがふと感じさせる ああ、生きているんだな 辛かったこと 悲しかったこと 嬉しかったこと 幸せだっとこと 僕という袋に埋められたものたち その少し重たくなった中身を抱えながら いつものように駅へ向かう ああ、生きているんだな 確かに今、生きているんだな