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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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知り合いに宇宙人がいて

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君は宇宙へ行ったことがあるかい
夢とかの話じゃなくて
それも宇宙飛行士とかじゃなくて
ある日突然、連れて行かれちゃうやつ

僕は二度あるんだよ
一度目は小学生二年生の時で
裏の空き地で野球をしていたらUFOが飛んでいて
こっちに来るな、と祈ったけど
どんどん自分たちの方へ向かって来て
そして、記憶が飛んだ
気が付けばまた野球をしていたんだ
あとで友だちにUFOが飛んでいたよね
そう言ったら
お前、ボケてんじゃないかと言い返され
少し記憶が残っていたのは僕だけだった

二度目はかなり記憶がはっきりしている
高校一年生の時
たぶん夜中の二時とか三時とかだと思う
僕がトイレに行こうとすると
戸の向こう側にUFOが来ているのは分かった
見えてないなずなのにそれがわかった
それまで僕は宇宙人と
コンタクトしていたという確信みたいなのがあって
大半は記憶が消されているけど
宇宙人でも消せない記憶が僕には残っていた
これは宇宙人の誤算であったのか
わざとそうしたのかはわからないが

またほとんど記憶が消されてしまったが
銀色の宇宙人がいて自分が手術台みたいなところに
横になっている記憶が一瞬だが残っている

そして真っ暗な世界を覚えている
真っ暗と言っても紺色に近い黒だ
どのタイミングでどこから見たのかわからないが
僕はそれが宇宙だと今でも思っているんだ
それからは一度としてUFOも宇宙人も
見ることはなくなった
僕のサンプルとして役割は終わったのか

その遭遇で僕が変わったことは
いつもビクビクと怖がりであったが
自分のどこかに開き直りというか
どうにもならない絶対があって
諦めることを教わった気がする
ビビリ屋ではなくなった

それと、自分の中にある世界は宇宙まで
広がったことは間違いなさそうだ

#詩

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