あるひとに 「詩がめちゃくちゃ楽しい」 そういったら 「あとは実益がついて来ればね」 なんていわれた 詩を書いていて 利益を求める意味は悲しい ひとはひと なんとか賞を受賞したとか 本を出版して売れたとか ひとはひと そこはまったくの励みにならない べつに否定しているわけでもない ひとがそこで喜んでいれば僕も嬉しい ひとはひと 理想はベンチの横に座っているひとが 詩を書いていて ちらっと見えた世界に微笑むような なるべく自然な水彩画のような伝わり方がよい ひとはひと 名誉とか誇りとか正直うんざりだ 詩を書いていることの充実 鳥がさえずるように読まれること意外 充実は考えられない 僕は僕