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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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  • 痛み、それは、生きる証

痛み、それは、生きる証

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捥ぎ取って欲しいほどの痛み
右手はもう使えなくなり
痛み止めをどれだけ飲んだことだろう

ひとは何かしらの苦も背負いながら
それを乗り切ろうと進んで行くもの
わたしの場合
頚椎の靭帯が骨化して神経を圧迫
この原因がわからずに腕の痛みは続いた

何件か病院を受診するが
筋肉痛と言われ
神経ブロックの注射を打つ
それでも除痛は姑息的
痛み止めを飲み続ける

痛みには勝てない
精神が強いとか弱いとかの次元ではなく
圧倒的に生死を支配する痛みだった
どんな死に方をすれば楽なのか

死からほど遠い楽観主義を貫いてきたはずなのに
現実というのは酷(むご)いもので
正義やら真実の裏返しに包まれ
これが私なのか
こんなになってしまうのが私なのか
それでも生きていかなければならないのか
早く死にたい
早く楽になりたい
生きていることの痛みに限界がきていた

とにかく早く原因を突き止めなくては
医者なんて頼っている場合ではない
腕の痛みを様々な角度から調べる
ひとの助言も聞いて
たどり着いたのが
原因は首にあるのではないか

それは間違いのない判断だった

この病気の多くは七十歳を越えた頃に発症するらしく
わたしはかなり早い段階で頚椎が詰まったため
医者は筋肉痛くらいにしか診断しなかった

脊椎専門病院へ受診をして
やはり手術をして頚椎を拡げることになった

手術は怖くなかった
これでこの痛みから逃れられる

信じて

手術が終わり
脊椎の中には
セラミックのインプラントが五つはめられ
脊柱管は拡げられ
圧迫されていた神経は徐圧されるが
一度傷ついた神経は治るわけではない
だが
腕の痛みは軽減され
これなら生きていけると確信した

だが
両腕の痺れ
顔面の痺れ
右足の痺れ
首や腕と肩に軽い痛み
そして
異常なほどの肩凝り
手術の後遺症なのか
身体の変調は五年経っても消えない
それでも握力は次第に戻り始め
これなら仕事もなんとかやっていける

この病気の術後における完全復職率は
10パーセント未満だろうとも
あの痛みに耐えてきたのだから
もう怖いものはない

そう思いながらも
ひとはそれほど強いわけでもなく
なんとか身体がこのまま保つように

神社で神頼み

まだ
この痛みと痺れなら共存できる
これくらいは生きている証だ
私はここで終わるわけにはいかない
そう願をかける

#詩

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