平らな声
Jan
3
ひとつ波が過ぎれば東京
海の緑は眩しかった
まばらな光
棒グラフのビルに遮られ
心の何処かで平らに憧れている
得体の知れないプレッシャー
社会への弱気を生み出す電車の揺れ
思い出すように何度も繰り返す思考
どうして生きているのだろう
どうせ死ぬのに
確かに夢の島では
時間を遮られない声が聞こえていた
僕は長い間
この東京で何を聞いてきたのだろう
眉間から聞こえる声
舌から聞こえる声
音のない声
どうしたらここで
平らな声が聞こえるのだろう
どうしたらここで
平らに生きてゆけるのだろう