白の世界
Feb
10
穏やかな街をなお白くしている
白夜のように明るい夜
踏まれて沈む雪は
か弱い少女のように笑う
世界を変える白
心に降り積もる感覚
柔らかいモノがそっと沁みてきて
何処までも歩きたい気持ちは
足を止めたりはしない
綺麗に飢えていたのだろうか
日常の黒に煤けてしまい
重たい責務の山に
押し潰されぬよう疲れ果て
冷やし癒される頭
何もかも輝きに染めながら
街灯からのびる光が我に刺されば
心の中まで白く静かにお淑やかに
踊り出すのだから
この白の世界を歩かずにはいられない