隙間は上手に使うと 物事がハマったりするが 春の早朝で風なんか吹いたら 攻め込まれて身体を冷やす 着こなしているつもりが 襟元、裾から グイグイと入ってくる冷たさ 思わず肩に力が入り 厳しさなんてものがしみてくる 高台のホームで電車を待つには ちょっと時間がある また風が攻めてくるから コンクリートの隙間に入り込み 上手に隙間を使ってみる 風から逃げている感じだが 今日一日の勝敗を長い目で考えたら 隙間には隙間で勝利を勝ち取ろうじゃないか それでも風はヘッヘッヘッ、と 肩を叩いて来るのだから抜け目がない 「間もなく列車が参ります」 コンクリートの隙間から出て行く うおっ、めちゃ寒いぞ でも、戦いは終わった じわじわ、じわじわ 心地よい線香花火がパチパチと 身体が冷えていたことを教えてくれる 電車の中はちょっとした天国だ そして、カバンからiPadを取り出すと 早く俺を温めてくれ 冷たい画面が隙間風に冷やされていた お互いのスイッチをオンしたのなら さあ、詩でも書きましょうか