時間の費やし方
May
8
かなりお待ちになると思いますが……
三時間待ちの受診
予約なしなのだから仕方ないか
耐えられる病状だし
高校生の時
電車を待つのに五分がとても長く感じていた
時計を見ても時間はさほど進まなくてイライラ
退屈が苦痛で仕方ないかった
今はおじさんになってこの退屈加減がなかなか良い
無駄に時間が流れている感は否めないが
それでもボッとすることが上手になり
イライラはしなくなった
受付に暫く外へ出ていることを伝え
病院近くの公園でパンを齧る
ヨレヨレののら猫ちゃん登場
遠くからこちらを見ている
iPadで詩を綴って顔を上げると
んっ
なんだか近づいている気がする
ダルマさんが転んだ
視線を液晶画面から猫ちゃんに向ける
んっ
もっと近づいている
眼の周りが少しただれて
耳が少し欠けているが上品に座っている
ああ
このパンが欲しいのだね
のら猫に餌をやるな
という人もいるけど自分の腹を満たすより
静かだけど必死で生きている情に揺さぶられる
ほれっ
匂いを嗅ぎ舐める
大丈夫だと決断しゆっくり食べ始め完食
そして
パンがあったレンガのところを舐める
ほれっ
パンを追加するとまたパクパクと食べ完食
のら猫ちゃんは静かに待っている
もうないよ
手のひらを見せたら
少ししか開けれない眼を閉じて
わかりました
そう言っているのだろうか
私はまた詩を綴り始めた
そして
チラッとのら猫ちゃんを見ようとしたら
もうどこかへ行ってしまったようだ
さあ
もうひとつ詩を綴ろう
そうだ
のら猫ちゃんとランチした
マッタリ感のある作品を仕上げてみよう