「可哀想だな、ずっと檻の中で」 ゴリラに言った 「貴様こそずっと檻の中じゃないか」 ゴリラが言った 「そんなことない。俺は檻の中にはいない、自由だ」 「貴様、何か勘違いをしているな。 わしと比べて自由などと考える時点で、 自由な心がすでに檻の中にある」 「何をゴリラのくせに偉そうなことを言いやがる」 「ほほっ。貴様は偉いとか偉くないとかまた比べるのか。 自分が秀でていると思い幸せを感じるタイプだな。 最近の人間は自分で檻に入っているのだから滑稽だ」 「何を言いやがる。それなら、お前は幸せだというのか」 「ああ、幸せだ。心は我にあるからな」 「誰でも心は自分にあるに決まっている」 「はあ、そうかなあ。貴様は心あっちにある、そんな感じだな。 わしを責めることで躍起になっている。 はあ、くだらない。早くパンダを観に行けばいい」 うーん なかなか良い詩が書けたみたいだな やっぱり僕って人と比べて才能あるねえ おっと、僕が檻に入ってしまったよ