殻の中で 僕はずっと詩を綴っていた 外の世界は眩しそうで 四十年も躊躇していたのさ 自分だけの世界で 十分と思っていたけれど やっぱり僕の中にある 飛び出したい言葉が背中を押した 勇気を出して頭を出したら 雨が降っていて 誰かの言葉が響いていた でん でん むしむし かたつむり お前のことだよ 僕は初めて自分を知った なんでだろう 涙が雨に流れてゆくと ひとりでない言葉の角がでて でん でん むしむし かたつむり それは僕のことさ 歩き始めたばかりの 雨は優しくひとひと降って なんだかこの先 素晴らしい言葉に触れる気がして ズルズルと僕なりの足どりで さあ 進もうか