上手に歩くように意識をした。膝シタ、特に足首より下が痺れ、思いのほかつま先が上がっていない。腰椎の手術後一週間、右足をどうしても引きずるように歩いている。今までの痺れは強い線からぼやけた円柱にカタチを変えた。 頚椎を詰まらせ拡げ、腰椎は飛び出し抉り、胸椎もすでに少し飛び出して。八十歳の母親より老けている脊椎の年齢だ。 身体の年齢、精神の年齢、実際の年齢。リハビリで外を歩いていれば、お年寄りに抜かされて行く。こうなると開き直れてしまうのは、私の性格であろうか。もうどうでも良い、歩けているのだからそれ以上もなく、それ以下もなく、ウサギじゃなくても亀でいられるのだから、のんびり景色を見ながら目的地に着こう。 幸せは比べないようにしよう。その時、その場所でどう感じ、どう思えて、どう考え、どう生きて行くかの価値観をユーモアのセンスで飾ることなのだろう。 とぼとぼと、蒸した風に包まれながら歩く。紫陽花は私ばかりを見て応援しているのだから。 ありがとう、明日も会いましょう。