車窓に雨が泳ぐスピード しわくちゃなセロハン 過去の自分と重ねる顔が写り 頚のセラミックを冷やされ 腕を摩り電車に揺られている 我慢を楽しむ余裕もなく それでも そんな言葉に無理やり励まされ 逃げる時間 ホームへ降りベンチに座る 杖をつき中年の男性 足を引きずるその一歩一歩で 地に神経を響かせながら カッタンカッタンと通り過ぎた 痛みを想像し比べてみても 進むという答えしか出てこない 今はただ腕を摩り 立ち上がれる期を待っている 雨が落ちる 私の右から斜め左に傾きながら