先週の雪は道端に積まれ 回収を忘れたゴミのように 未練ばかりを回想して なるべくひとが少ない道を選び 図書館へ向かう 混んでいるのだろう 図書館へは時間をずらそうと 献血センターを覗いてみた 常連の私にとって 一時間待ち程の賑わいと感じた いつもは閑散としているのに 陽気がこの街を今日は変えている やはり図書館かと向かう 座るところがない程に混んでいる しかし詩集が並んだ棚には 誰ひとりとして興味を示していない ここがなんとも落ち着く場所だ 今の気持ちに合う詩集を探すが 見つかるわけもなく 二月三日ということで 上から二番目の棚 右から三冊目の中原中也の詩集を抜く 座る場所を確保して詩集を読まず タブレットを取り出し 詩を書き始めている いつもの私は今日も変わらない