蝕んでゆく身体 床に転がり仰向けになり 矢印みたいに両手をひろげ 調子が良かった頃を思い出す 垂らす涙はきっと汚れている わかっている 身体はすでに過去の輝き 握力のなくなっていく 左手は細く萎んで 捨てろ忘れろ消してしまえ 比べて僻む心など しかし 自分の中にある情けなさが 未練となり辛く重たくさせる 俺は終わりたいのだろうか 初めて吐く言葉に 自分の返答を待っている 脱力も見逃さぬ痛みの中 逃げの言葉は救う術を知らず 俺はまだ終わりたくなどない 誰にも見られたくない 何時もと違う立ち上がり方に 歯をくいしばっている こんちくしょうと吐き出し 一粒の錠剤を流し込み まだある意地が俺を保っている