逃げ雨
May
19
ビニール傘に落ちる雨粒が
やけに耳に響いてくるどんより雲のした
僕は学校をサボり
駅前のハンバーガーショップで
ポテトをつまみ
油のついた指を拭く繰り返し
そして通り過ぎるサラリーマンや
OLの表情をみては
吹き出しに言葉を入れてみる
ああ、取引先に行きたくねえなあ
あの部長さんのオヤジギャグに
愛想を振りまく自分が嫌なんだよ
ああ、帰りてえなあ、家に
雨も降っているし
遅刻、遅刻
また上司に嫌みを言われてしまうわ
あなたがバンバン仕事を増やすからなのに
もう寝不足で頭がおかしくなっちゃう
お家のベットに入りたい
雨も降っているし
みんな現実から逃げたいのさ
だから僕が学校をサボっているのも
そんなに間違ったことではない
学校の授業はつまらないし
話し相手もいるわけじゃないし
読みたい本もあるし
雨も降っているし