この日が来たのね やさしいあなたの笑顔や悲しい顔を わたしはいつも見てきたから この二十二年という年月をふり返ると とても感慨深いものがあるわ ちいさい時からきちょう面で わたしを隅から隅まできれいに 拭いてくれたあなた お陰でわたしは心地よく 家族のみんなを映すことができたの 鏡として生まれてきたことに 幸せを感じていたのよ お母さん、わたしが今度 家へ帰ってきた時に 鏡が汚れていたらゆるさないわよ はいはい、わかりました 大丈夫ですよ ずっと大事にしていたのを 知っていますからね わたしもできることなら 一度でいいからあなたのように 涙をながしてみたいそんな気持ちよ 旅立つあなたへ 二十二年間、幸せをありがとうね そしてあなたの幸せをずっと願って わたしはここにいますから さあ、いってらっしゃい 涙を拭いて