物干し竿にぶら下がった いつ買ったかも覚えていない風鈴 風情などなく 無理に踊らされている ダンサーの悲鳴に聴こえてきます 風が怒って ゾワゾワと擦れた音で向かってきます 残酷な物語は目の前で始まり この圧力に草臥れてしまいます 風鈴を外さなければ しかし私の手には収まろうとしない 髪をなびかせながら抵抗されます 何もかも想像はズレていました 風鈴は身をまかせ自由だったのです