ほどよい列車のゆれ 栗橋あたりから 稲穂が 私を束ねないで 新川和江さんの詩のように 風の自由が語りかける 初めて足を運ぶ文学散歩 もし 詩の朗読をすることがあれば この詩を風邪で掠れた声だけど 歌ってみよう 今年は 雨の多さに埋もれた街があり 辛い季節に萎えた それでも自由を失わず 心だけは強くありたい 車窓の向こう 稲穂が風を背に垂れている 今日 新川和江さんの集められた 一万冊の詩集に囲まれに行く きっと強く生きるヒントが 見つかるような気がする 列車はゆれる ひとはひとに救われ 微笑みを返せるのだから