雨の入(い)る
Jan
16
一日のニュースは
すべて読んでしまう
追われる密集から
逃れたい空洞存在を
車窓の外に求めている
今夜も雨がない
此処に居る身を
誰もいない
湿る森に置き
暗い惻隠が欲しい
癒しのルーティン
音楽のアプリからは
ひとつしか表示されない
検索履歴の「雨の音」
ちぃぱっちぃぱっ
ちぃぱっちぃ
ちぃぱっちぃちぃ
ガラスに映る
役立たずの
言葉が象る顔を
目を閉じ遠ざける
其処へ向かう
恥も悔いも消え去り
孤独の微笑みが
くり抜いた筒の器
ちぃぱっちぃぱっ
ちぃぱっちぃ
ちぃぱっちぃちぃ
濡れ鼠になる