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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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記憶

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UFOを見たり感じたのは四回
小学三年生の時に一度
小学四年生の時に一度
そして中学一年生の時に一度
最後は中学三年生の時に一度

もしUFOに自分の所まで来て、と
念じてしまうと飛んで来てしまうだろう
そう思っていた時期もあった

 何が私の身に起きたのだろう?

初めてUFOに遭遇した時の記憶は断続的にあった
近所の空き地で友だち四人と
ビニールボールで三角ベースの野球をしていた
ふと空に飛んでいる光に気づき
それをみんなで見ていた
空を右に左に瞬間移動している
UFOだ、と思った
こっちにやって来る、どうしよう
もう身体はまったく動かないし
圧倒的に支配されていると強く感じた
この感情は今までに味わったことがなく
恐怖の先へと行ってしまい頭の中が白くなった……

気がつくと野球を終え
友だちと歩きながら帰り道に雑談をしていた
私が、さっきUFOが飛んでいたよね
お尻の下あたりを針で刺されたよね
そう言ってみると
何バカなことを言っているんだよ、て
笑われてしまった
私以外はUFOと遭遇した記憶がなかった
これは間違いなく夢の話でなくリアルな体験だった

 何か消された記憶
 消し忘れた記憶があるのはなぜだろう?

四年生の時は空高く
光る金属みたいなものを一瞬見ただけだった

中学一年生の時は
夜中に目が覚めて壁一枚向こうに
UFOが来ているのがなぜか分かった
この時の感覚もしっかりと覚えているが
夢か現実なのかは正直なところ分からない

 何か託されたことはないのだろうか?

最後は修学旅行での記念写真
学年の全生徒が四百人ほど写っている集合写真に
私だけが正面を見ずに空を見上げていた
また来ているぞ、と
遠く小さく見えるUFOを追っていた

それから随分と時は流れた
大人になってからはUFOと遭遇していない
最近は空も見なくなっていた

 何か信じていたことを忘れていないだろうか?

#詩

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避暑地

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ジリジリと刺す太陽光
日陰で水を喉に流し込めば
開放感を与えてきた夏は
危険なだけの夏を照らしている

道路工事の作業員
人はこんなに強いものなのか
ヘルメットに厚手の作業着を纏い
焼けた顔の逞しい眼差し
振動で身を揺らされている

私がどれだけ
ひ弱な肉体と精神なのか
思い知らされる存在価値の怪しさ

私には抗う気力を失えば
句点がこちらに転がってくる
なんとか飛び上がり回避しながら
まだ終われない言葉を求める

冷房の効いた場所へと心は急ぎ
生きた心地を得れば
熱くなった身体とタブレットは
平熱を取り戻し始める

いつもの具現される私の作業は
言葉を垂らし
危険な夏を遮断する

#詩

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