May
28,
2022
「傾聴」:大切だと分かっているのに、なぜ出来ないのか?(Day2)「社内に傾聴する『場』を創り出す」
前回、職場ではそもそも何故、コミュニケーションの基本である
「傾聴」
が出来ていないのか? 出来ないのか? しないのか?
という素朴な疑問を提示しました。この疑問に答えるべく、色々思いを巡らしこのブログを綴って行きます。
仮ではありますが、全体の流れは以下の通りです。
第1章:傾聴:大切なのになぜ出来ないのか?
第2章:会社という組織に問題あり?
第3章:上司部下という関係性が「傾聴」を出来なくさせている?
第4章:職場で「傾聴」カルチャーを根付かせるために
そして今日は、その二回目。
【第2章:会社という組織に問題あり?】
大切・重要と分かっているのに実行に移せないのは、ひょっとして
「会社という組織」
が持つ、特有の理由や背景に拠るのではないか?
1.組織とは? 会社とは?
2.会社組織で「傾聴」を阻むもの
3.どうすれば「傾聴」カルチャーを醸成できるか
1.組織とは? 会社とは?
(1)「組織」の定義
先ずは型通りですが、辞書で定義を引いてみると以下の通りです。
組織:「一定の共通目標を達成するために、成員間の役割や機能が分化・統合されている集団」
つまり、「目標達成」のために複数の「人間の集団」。
そして辞書の定義を待つまでもなく
「会社」とは、
社会貢献や利益、株主などの利害関係者への還元や関わりなど、様々な「成果」をもたらすことを目的とした集団。
従って、一定の「成果」「結果」が常に求められている、という環境の中にいるわけです。
(2)組織を作ることの効果
組織を作ることの目的、これは会社という組織で働いている、もしくは働いた経験がある皆さんは既に体感していること。
つまり「集団、それも有機的な働きをする組織を活用することで、一人では成しえないことが達成できる。
2.会社組織で「傾聴」を阻むもの
上記では組織や会社というもののポジティブな面を伝えていますが、残念ながら良い面だけでは無いように感じます。以下のような観点です。
(1)短期的成果の追究
利害関係者への還元・貢献や自社自体の存続という観点において、どうしても会社には「成果」を常に追い求めるという性格が強い気がします。
それも、どちらかと言うと「短期的」成果を求められる環境にあります。
(2)会社組織を支える社員の位置づけ
成果を求められる環境において、「社員」はその成果を出し続けるための重要な「資源(リソース)」なはずです。
工場等における原材料と同様に、これが無いと製品が製造できないほど重要であると同時に、ヒトである社員は、何かを生み出す力や知恵を持ち合わせた存在。
最も重要なリソースと言っても過言はない。これには誰も反論は無いはず。
ところが一方、「短期的」成果ということが強く言われると、その位置づけが少しブレてしまうように感じます。
ヒト・社員=「付加価値を生み出す源泉」
のはずが、製造設備や機械のようなものと同様な見られ方、いわゆる
会社の「駒」「歯車」
のような扱われた方がされてしまう。
(3)依然と残る「上意下達」文化
上記とも大きく関連しますが、会社の中には「上意下達」の文化がまだまだ残っています。
「会社がそう言うのだから」
「上司の命令だから」
短期的な成果を生み出すためには、取り敢えず会社や上司の言うことに従って「駒」や「歯車」のような働き方をすれば良いのだ。
このまま言語化して、伝えられている訳ではありませんが、こんな雰囲気が流れる会社もまだ少なからずあるように聞いています。
このような会社・組織環境においては、相手の話に耳を傾ける、傾聴するという行動様式は、残念ながら取り入れられない、定着しないのではないかと感じます。
3.どうすれば「傾聴」カルチャーを醸成できるのか
しかし、これをこのままほおっておく代償はあまりにも大きいです。会社・組織において付加価値を生み出すリソースであるヒト(人財)が、流出していってしまう可能性が高いです。
特に昨今、若者の離職率が高いことは新聞などのメディアでも採り上げられています。
そこで私が考える打開策をお伝えします。
思い付きの部分も大きく、粗削りで乱暴な視点かも知れませんが、可能不可能はさて置いて、私のアイディアを記します。
(1)「傾聴」するのか、しないのか、that is a question!
会社・組織内で、いつでも・どこでも「傾聴」すべき、は無理があります。何故ならヒト(社員)の持つ知恵を活用しつつ、会社としての成果を出す、という別個の要求を同時に満たすためには、両社のバランスを考慮する必要があります。
従って、今この場は「傾聴」する場や時間、空間ときっちり峻別して対応したら、どうだろうか?と思います。
そういう一種「特別な」時間や場所を設けて、社員に思い切り話をしてもらい、思いを吐き出してもらう。それを相手はきっちり「傾聴」する。
ひょっとして一昔前は、サラリーマンが仕事帰りに立ち寄る
「赤ちょうちん」の飲み屋さん
が、この機能を果たしていたのかもしれません。
その環境を政策的に社内に創る。いかがでしょうか?
(2)「仕事」というもの自体の「リフレーミング」
皆さんは「仕事」というものと、どのようなイメージや印象を思い浮かべますでしょうか?
私の年代では恐らく、
「仕事は大変なもの。汗水たらして初めて結果が得られる」
「仕事は大変だが、乗り越えるための努力は将来必ず報われる」
「楽しくないからこそ、それを克服する醍醐味がある。だから頑張れ!」
こんな感じでしょうか?
とにかく「仕事は楽しくないが、頑張れ」というトーンです笑
一方、このフレーズは今の若い人たちには、恐らく響かないように感じます。
従って私は発想を逆にする必要があると感じます。つまり
「仕事は楽しいものである」
という「リフレーミング」するのです。
「楽しみを追求する過程でも、大変さ・困難には遭遇する。しかし、その向こう側にあなたの求めている楽しみが発見できる」
従って私は会社は、そして上司は社員・部下には
「仕事の楽しみ」
を徹底的に教えて、伝えて欲しいと思っています。
(3)上司部下関係の再構築
会社や組織を取り巻く環境が激変する中で、これまで通りの組織体制がそのまま機能し続けるとは思えないです。
特に上司である管理職が果たす役割がどんどん拡大して、一人の人間で対応するのは、よっぽどのスーパーマンで無いと管理職は務まらない気がします。
そこで、管理職である上司を下記、機能別(A)(B)に分けて、
(A)業務遂行上の上司
(B)能力開発・キャリア構築支援上司
二人の上司がいる体制を作ってみたらどうでしょうか?
傾聴という視点では
(A)は、短期的な成果を目指す、命令型・指導型上司。「傾聴」に重きを置かない。
(B)は、部下の話をしっかり聴き、長期的な視点に立つ上司。「傾聴」に重きを置き、部下の想いや感情にも焦点を当てる。
(A)と(B)を同時に一人で対応できる上司・管理職を養成することが理想ではあります。しかし、これは簡単ではなく、誰でも対応できるようには思えません。
従って機能を二人の上司で分けて担当する、というアプローチです。
皆さん、どう感じますでしょうか?
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
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