巡り巡って
May
18
MsFが亡くなった。昨日の午後3時過ぎ。わたしからイブニングシフトへ引き継ぎしたのが2時なので、その1時間後のことだった。とても穏やかで安らかな最期だったと聞いてほっとした。MsFは一風変わった女性で、色々と手を焼かされたものだが、なぜか心惹かれる方で大好きだった。いつも笑わせて貰った。本当に楽しい女性だった。
職業柄、守秘義務というものがあるので、施設での色々を夫に話すことはない。なので、これまでもMsFのことを彼に話したことはなかった。が、ひょっとして夫はMsFのことを知っているかもしれない、と思った。或いはMsFの娘さんや息子さんのことを。年齢的にね・・あり得るかもしれないって。なぜならここはとってもちいさな田舎町で、大抵の場合、どこどこの誰々というのがどこかで繋がっているのだ。
MsFのお通夜やお葬式についてはもう既に町のケーブルニュースに出ているだろうし、近いうちにローカル誌にも載るだろう。だから大丈夫かな・・と思い、夫に訊いてみたところ・・・案の定、夫は知っていた。MsFではなく、末の息子と同窓だったと言う。また、娘のソフトボールチームでの後輩Aの母親が、MsFの娘だとも言う。
こんな風に繋がっていただなんて・・・本当に驚いた。夫も、驚いていたけれど(彼のクラスメイトの母親がうちの施設に入居していたことにも、そして亡くなられたということにも)
MsFとの会話で心に残っていることをひとつ書いておこうと思う。彼女の具合いがだんだん悪くなって、車椅子を使うようになってまだ間もない頃のこと。MsFからのコールでお部屋に行くと、彼女は既に車椅子に座って待っていて、
Oh, bless your heart. Thank you for helping me out. I hope you make some money for extra work like this...
なんて、いつもからかってばかりの彼女がらしくない、しおれたことを言うので、
Don't worry, I am making BIG bucks at here!
と、軽くジョークを飛ばしてみたら、
Ha ha ha.. I can tell the people who has big money what they wear, though..
なーんてことを一見真面目な調子で言うので、余計におかしくなって、ふたりで大笑いした。
今日、MsFのお部屋を家族が後片付けしていたとき、そこへお邪魔して挨拶をしてきた。娘が3人いて、彼女たちにお礼を言った。わたしは本当に彼女のことを愛していたのだ、と伝えた。そして、とっても楽しい時間を一緒に過ごせたのだ、とも。彼女たちからも、わたしがMsFと心を通わせていたことを知っていた、ありがとう、などという言葉をいただいた。MsFの笑顔のことを娘さんたちに伝えながら、なぜか雄弁になっている自分に気付いて、少し驚いた。いつも、こんな場面のときには何も言えない自分だったのに。ここで仕事をするようになって3年が経つ。そのなかで変わっていったのか或いは多少アメリカナイズされてきたのか、その両方か。
夜になって、Bの一日遅れの誕生祝いをした。鶏胸肉を味付けなしでローストしたやつをスライスして、レタスと一緒にあげた。もちろんD&Cにも。みんなで誕生日の歌もうたってあげたよ。Bはとても嬉しそうにしていて、わたしの足下にひっついていた。夫がそれを見て、「君に随分甘えるようになったね」と言った。わたしもそう思う。嬉しいような切ないような。
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