彼女のことを以前に書いた。
わたしは学習しないようで、あの後も何度か同じことが繰り返された。
その度に、あぁまたやっちゃった、とか、むぅー気分悪いなーもう、とか、相変わらず不機嫌だわ、とか思いながら、やり過ごした。
相棒からは、ディアナ(仮名)がやって来ると目線で(m, DO NOT SAY ANYTHING!)合図されたりもしたが、顔を合わせても「自然に無視する」なんて器用な技は持ち合わせていない。それに、そういうことをする自分をとても邪なものに思える。
No, it's not, IT"S JUSTICE! と言う彼に、わたしは思わず吹きだしてしまった。彼は笑っていたが、冗談じゃなくて本当にそうなんだよ、と付け加えることを忘れなかった。
その時、人にはそれぞれ付き合いかたというのがあるんだな、と思った。彼には彼の、彼女には彼女の、そしてもちろん、わたしにはわたしの。どれが「正しい」というものでもなく、それがその人の「らしさ」「best」ということなのかもしれない。
わたしはしばらく、その「正義(或いは公正)」について思案した。
最初は面白い発想だなと思った。目には目を(Eye for an eye)ということか。すごいな。アメ人らしい発想なのか?
でもーふと思い立って、彼に言った。戦争って、双方が「正義だ」って言ってるんだよね。
彼は、うーーーん、と唸って、それから、そうだね、と答えた。
まだ、ロシアがウクライナに侵攻していなかった頃のことだった。
仕事を終えた後、ロッカールームへ行くとディアナが先にいた。思いがけず、わたしとディアナの、ふたりきりになった。一瞬、はちゃーと思った。でも、そういう気持ちを拭って、Have a good spring break, D! と、声をかけた。ロッカーのドアに手をかけていたディアナは、そのままの姿勢で5秒くらいか、何も言わなかった。
シーーーーーーーーーーン
ああああああ、、、、
酷く、気まずい雰囲気、、、、、ディアナ、と、彼女の名前も口にしたので、自身に向けられた言葉だということは明らかな筈。なのに、ここで無視?マジ???
永遠にも感じたこの5秒ほどの間、わたしの頭はぐるぐる。。。。どうしたら良いものか。。。
それからディアナは、ふぅーっと大きな、そして長いため息をついた後に、
Yeah, I guess.
そう言って、片手を振りながら出て行った。わたしは呆気にとられて、しばらく彼女の後ろ姿を見ていた。心がぎゅーっと苦しくなった。そして、忘れよう!と、自分に言い聞かせた。気にしない、気にしない!気にしたって、何も始まらない。
Posted at 2022-03-28 16:17
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Posted at 2022-03-29 14:23
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