パス公はいつも一番にしないと気が済まない貴公子だ。迎え入れる時にも言われた、"He is very dominant."
反面、びぃ坊はとってもマイペースなので、こいつにやられちゃうかなーと心配でもあった。また、びぃ坊を迎え入れた時、彼はまだ2歳にも満たない仔犬で、コズモは立派な成犬だった。つまりびぃ坊はまだ一度も優位に立つという経験がない。我が家にとっては、唯一(&驚きの)ドアベルに反応しないのんきな犬。Guard Dogには程遠い。それがびぃ坊。
でも、そんなびぃ坊が新たな一面を見せてくれたのは、コズモが虹の橋に行ってしまってしばらくしてからのことだった。
その夕、わたしはいつものようにびぃ坊と散歩へ出た。散歩コースは時々変えるようにしているが、これまでにも何度も通ったある家の前で、いきなり黒い犬が中から飛び出して来た。不意の出来事に驚きながらも咄嗟にびぃ坊のリーシュをしっかりと握る。びぃ坊よりはるかに大きな犬だった。びぃ坊と一緒にとにかく早く立ち去らなくては、、と、思う間もなく、びぃ坊がぐるぐるるーーーー!牙をむきだし反撃したのだった。「やられる!」と思った。勝てるわけがない。でもびぃ坊は全くひるまなかった。驚いた。心底、驚いた。そのうち、その犬のオーナーがやって来て、彼を制止し、I'm so sorry!!!と言った。He's not like that, but,,,,と言うので、It's okay...と言って、びぃ坊を引っ張り(彼はまだその犬を追いかけようとしていた)、その場から離れた。
だいぶ離れたところで、腰が抜けたようになって、歩道に座り込み、びぃ坊を抱きしめた。それから、彼の首やら耳の後ろやら肩やらを触って傷がついていないか確認した。相手の犬と絡み合ったときの濡れた形跡はあったが、なんともなかった。ホッとした。その後もしばらくドキドキしながら歩いた。おかげで散歩はいつもより早く切り上げた。
Posted at 2022-06-15 08:00
People Who Wowed This Post
Posted at 2022-06-16 14:44
People Who Wowed This Post