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- 内倉憲一 ニュースレター Vol. 248 個人の責任
個人の責任
昔私が社会人になった時に「今の若者は弱くなった」と言われました。昔はもっと過酷な労働環境で頑張ったものだと。そんな私も当時は朝から夜中まで働き、そして仕事の後に付き合いでみんなで飲みに行っていました。最終電車がなくて会社に泊まったり、みんなでホテルに泊まったこともありました。それが正しいと言いたいのではなく、ただそれが当たり前の時代だったのです。サービス残業という言葉もありませんでした。それに自分でもどこまでが仕事でどこまでが個人かという違いすら考えていませんでした。でもそうしなければチームには入れなかった。だから昇格などもなかったし、なかなか女性の管理者が生まれなかったのだと思います。
でもこれらは会社から指示されたわけではありません。あくまでも自分の意思で決めていました。とにかく基本的に全てのことは会社とその中で働く自分という世界ができていたし、それが当たり前でした。サービス残業をしているという感覚すらありませんでした。
でも最近はそのような考え方自体が間違った考えであり、あくまでも個人と会社は別物で、それに対して政府も政治も個人の保護を大切にする考え方が当たり前になっています。これはアメリカ的な考えが日本や世界に広がったものだと思います。そのために会社は会社、個人は個人という考えが進んで、個人を保護するために会社を規制することが政治の役割のようになっています。
社会と会社と個人、この役割がますます明確になっていく時代ですが、社会と会社を回しているのも個人だということを忘れてはいけないと思います。社会は規制というツールを使って会社をコントロールして、会社はその規制に従って人を使う。これで本当にチームワークができるのでしょうか。時々疑問に感じますが、そう感じること自体が時代遅れなのかもしれません。
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内倉憲一(うちくらけんいち)
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