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~「働く女性のLife Designマガジン アヴァンティ」に連載中のコラムhttp://www.e-avanti.com/57204より~
アメリカに来て10年、涙ぐましくも周囲から浮かないように生活し続けた結果、私の中から完全に消えた習慣や意識がある。例えば…
うん、うん、と相槌を打つこと
日本人は相手が話しているとき、こまめに相槌を打つ。しかしアメリカ人はシーンとしたまま、身じろぎせずに聞く。電話などでは、あまりの静けさに切れちゃったのかと思うことも。
待っている人のために急ぐこと
紳士淑女は横断歩道を渡るとき、自分のために車が待っていても走ったりせずに悠々と歩く。小走りは下品とな。長蛇のレジで値段が分からないときも、キャッシャーはゆったり歩いて棚に値段を見に行く。
知らない人と目が合ったときの反応
アメリカでは、全く知らない人でも目が合ったらニッコリ笑い、時に「元気?」と聞く。微笑む際は白い歯をニッと見せるのがコツ。苦労の末体得したこの習慣も、日本では奇妙かな…。
名刺を出すこと
仕事の場でも、アメリカではあまり挨拶時に名刺を出さない(一部の職種を除く)。名刺の代わりに、名前を名乗って力強く握手する。この前、在米歴40年の浦島太郎のような日本人社長を福岡の某社長に紹介したが、その方が名刺なしに現れたものだから、「名刺も出さない失礼な人!」と取引(浦島さんが客側)をお断りされてしまった。両方の立場が分かるが、ちょっと気の毒。
ハンカチを持つこと
アメリカ人はハンカチを持たない。ハンカチ売り場もない。紙がどこにでもある。ハンカチは旧時代のもの? そういえば日本で会社に通っていたころ、ハンカチを忘れたことが気になって通勤途中に家に引き返したこともあったっけ…少女時代を懐かしむような気分デス。
年齢によるハジケ規制
ちょうど昨夜は、近所のクラブでハロウィーンパーティだった。スリラーの曲が迫力いっぱいにかかった瞬間、ヒュー! という奇声とともにダンスフロアに大勢の人が飛び出した。熱気あふれるフロアを埋め尽くすのは、白髪で腰の曲がったおじいさんとおばあさん!40代の「若者」(私)がハジケずにどうする! その後、10時半頃に眠くなって家に帰ったが、寝る直前に店に財布を忘れたことに気付いた。慌てて店に戻ったのは夜中の1時。フロアはまだまだ踊り狂う大先輩方で埋め尽くされていた。
店員を声を上げて呼ぶこと
渡米当初、「すみませーん!」と大声を出して呼んでいたが、あれ、なんだか浮いている感じ! あれから10年、私はアメリカ人の顰(ひそみ)に倣って静かに、辛抱強く、気付いてもらうのを待つようになった(昨夜、私が財布を忘れたのを店員さんが見ていたらしいが、大声を出さない+走らない主義でそのまま事務所に持っていったらしい。あのね…)。
ロサンゼルスの広告代理店・編集プロダクション
「Ruコミュニケーションズ」にもぜひお立ち寄りください。
https://www.rucommunications.com/
今さらですが、RuコミュニケーションズLLCのFacebookを始めました。
https://www.facebook.com/Ru-Communications-LLC-131334947581993/?modal=admin_todo_tour
Likeが25以上集まらないと、アドレスを好きなものにできないそうで…今、恐ろしく長いアドレスになっています。皆さま、Likeをどうぞお恵みください!(多分10年かかっても25Like集まらなそう…)。
それに伴い新しいアカウントも作りましたが、仕事のメアドで作ったのでさすが、誰にも知られず、ひっそり感が半端ありません。こんなに寂しいFacebookってあるのでしょうか(笑)。
https://www.facebook.com/policarpio.ru.1
~「働く女性のLife Designマガジン アヴァンティ」に連載中のコラムより~ http://www.e-avanti.com/51164
前回に続き、今回もマリッジカウンセラーのゲールが私に課した「宿題」について書いてみよう。瞑想、体操、趣味作りなどさまざまな課題の中で、最も印象に残っているのが「理想の男性像を紙に書き出す」というものだった。「髪の色、髪の長さ、肌の色、背丈、爪の形、癖、年齢、子どもの有無、どんな職業・趣味を持ち、どんな性格かなど、全て細かく、まるで実在する人を描写するようにね」。
前回のコラムはこちら:http://jp.bloguru.com/RuCommunications/304280/2017-08-1
「えー! 夢物語でもいいの?」と私はふざけた。するとゲールは「そうよ。夢物語でいいの。現実に可能かどうかは絶対に考えないで」と念を押した。
当時の夫は金髪でぽっちゃり体型の白人だったが、私のノートには黒髪ですっきりとした長身の男性が描かれた(夢物語だから、いいよね!)。そのときは何も考えずにゲールに提出したが、数日して、ある考えが頭に浮かび、消えなくなった。それは「夫は私の理想の人ではなかった…」という、目をつぶっていたかった事実への気付きだった。見た目だけじゃない、性格も、何もかも…。この日を境に、私の心は徐々に離婚へと傾いていった。
離婚裁判が始まり、元夫の会社の福利厚生だったカウンセリングは唐突に終わりを告げた。そしてゲールと会わなくなってしばらく経った頃、知り合いに一冊の本(※)を紹介された。
その本で紹介されている話の一つに、ジョン・アラサフという男性の体験談があった。アラサフはビジョンボードというものを作り、そこに目標や、人生で達成したいことを書いて貼っていた。彼はある日、5年間も開けていない段ボールの中に、随分前に作ったビジョンボードを見つけ、驚き、さらには泣き出してしまった。なぜならそのボードには、今、彼が住んでいる、大変な苦労をして手に入れたマイホームそのものが描写されていたからだった。これを「引き寄せの法則」というのだそうだ。
二番目の夫と結婚して数年経った頃、ふとあのメモのことを思い出した。メモを引っ張り出して読んでみて、私もアラサフのように驚いた。肌の色も身長も、髪の色も、職業も、性格も、何もかも、そこには今の夫そのものの男性像が記されていた。私自身は忘れていた、しかし脳が覚えていたのだろう。ゲールは確信犯だった。
これは彼女からの贈り物だから、私は今でも願い事は明確化してみる。これを読んでいるあなたも何かに引き寄せられてこれを読み、そして紙に書き出した理想の男性と、いずれ出会うのだろう。
※日本語訳『ザ・シークレット』ロンダ・バーン著(角川書店)
写真1
写真2
10年前にアメリカに来たときに、スーパーのレジがセルフサービス化されていることに驚いた私ですが、先週行ったマクドナルドでは注文カウンターが機械になっていました(写真1)。もちろん人間がいるカウンターは残っていますが、そこにいるのは一人だけ。以前は4~5人並んでワイワイしていたものですが…。またこの機械がスマホを巨大化したようなデザインで、注文しやすい!しかも例えば「スイーツ」を押したら、全てのスイーツメニューの写真を見ることができるので、人間にいちいち口頭で説明してもらうよりもむしろ分かりやすいのです。
しかし以前、4~5人並んで働いていた人々のうち、1人だけが残ったわけで…他の皆さんは機械君の登場でお休みになったのでしょうか。
昨日、Sam's Clubで買い物していたら、「無料サンプルはいかがですか?」とやたらに可愛い声で話しかけられました。「無料」の言葉に耳ざとく振り返ると、写真2の機械が佇んでいました。
近づくとパッと画面が変わって「こんなにおいしい紅茶ですよ」と絵と言葉で畳みかけ、サンプルをあげるから、会員証をスキャンしてね」と。人にもよるかもしれませんが、人間が配っているサンプルよりむしろ受け取りやすい!説明まで写真付きで聞いちゃったじゃないですか。
はい、また、ここでサンプル配りの方の仕事がなくなっています。この子(機械)は疲れ知らずで延々と働いてくれるはずです…。
そういえば、ロサンゼルスで人気の回転ずしチェーン店のKulaさんでは、もうおすしを作るのから(機械がする)、注文(タッチパネルでする)、おすしを運んでくること(ジェットマシンみたいなので来る)、会計まで機械化されていました。
高い福利厚生費を支払わずに済む機械のスタッフ。文句も言わず、壊れるまで働いてくれます。サービスを受ける側も、機械の画面と接している方が、人間と接するよりも楽と考える人も多くなり、職場の機械化はこのまま加速度を上げて進んでいくのでしょうね。
自分は機械にはできないどのようなサービスができるか、しみじみ考えさせられる今日この頃です。
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「仕事をするとき、いつでも日本のために、そして誰かのためになれるように心掛けている」と言ったら、デザイナーさんから笑われてしまいました。
本当、理想論ですよね。分かっています…でも、いつもいつも私の心の中にはその思いがあるのです。原稿を書くときや何かを編集するときも「これを読む人がひと時でも日常の疲れを忘れて楽しんでほしい」と思いますし、日本企業のお手伝いをするときは、全米で大ヒットして日本を潤してほしいと思います。
このような気持ちが強くなったのは、何より以前取材させていただいた台湾のおじいちゃん、おばあちゃんの影響でしょう。日本の植民地時代に教育を受けた「日本語族」と呼ばれるおじいちゃん、おばあちゃんは、今でも流ちょうかつ美しい日本語を話されます。時に難しい詩を詠われ、その意味が分からないでいると、「自分の国の言葉をもっと大切にしなさいよ」と諭されます。「日本語は美しいよ、日本語を、日本を守ってよ」と。そんなおじいちゃん、おばあちゃんが口をそろえて「日本の教育は素晴らしかった」とおっしゃいます。なぜって?常に「公」を考えて行動するように教えるからだよと。戦争しろという意味じゃない、でも日本に生まれたなら、日本をもっと大切にしてほしいんだと。
このハッとさせられる助言をたくさんの方にいただいた後、私はいつも公を思いながら生活するようになりました。
そして上の写真。アメリカ人の誕生日パーティーに招かれた時の私のギフトです。
そう、資生堂のシャンプー「ツバキ」です!日系スーパーで買うと、シャンプーとトリートメントで33ドル(3500円)ぐらい(日本で買うのと違って高いでしょ?)。
へ?なんでこんなもの、と思われるかもしれませんが、アメリカにはなかなかアジア人の黒髪をサラサラにするシャンプーがありません。使えば使うほど、髪がボロボロになるものが多くて…。私自身もある時ツバキを使ってみてびっくり!1日ごとに絡まりが取れていき、一週間後にはサラッサラになったのです。
だから私はこの素晴らしい日本の製品をアメリカに広げるんだと心に決めました。アジア系の方に限ってですけどネ。金髪にはもしかしたら合わないかもしれませんので。でもアジア人の間で噂になり広がって全米でヒットしたらいいなあと願っています。途方もない夢ですけど、もしアメリカに住む日本人がたくさん「日本製商品振興大使」になったら、きっと何かにつながると思うのです。とはいえ、他の人にこういうことしましょうよと勧める勇気はありません(^^!)。
他にもこれはいい!と思った日本製品があれば、皆に配っています。今のところ、大好評なのが、「トイレその後に強力1滴消臭」です。https://www.kenko.com/product/item/itm_6913542972.html
こちらはうちにいらっしゃったお客様に「このように使ってね!1滴たらすだけよ」と伝えると、皆さん、使われた後に「これはどこで売ってる?!」となり、日系スーパーでたくさん買っていかれます。あとはダイソー(アメリカに大進出中)の商品ですね。簡単に千切りができるピーラーなど便利グッズは皆感激してくださるので、ダイソーにお連れします。
バカでしょ?そんなことしても何も変わらないよと思うでしょう。でも大好きな、大切な日本のために何かしたいなあと、小さいことでもいいから、何かしたいのです。
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「大急ぎで」「シンプルに」という2つが、今回ウェブサイト制作をご依頼いただいたTeleCommunications様からのリクエストでした。
大急ぎに、と言われても、シンプルにと言われても、どうしても手間暇かけたいのが私たちです。それで張り切って朝一番から夜中まで丸二日間かけて突貫制作したデザイン初案を3つも提出!私が言うのもなんですが、いずれのデザインもシンプルながらもウェブ先進国アメリカの最先端の要素を取り入れた惚れ惚れするような、クールなデザインでした。
これならきっと喜んでくださるよとスタッフとやつれ切った顔を見合わせて、それでも喜びいさんでお客様に提出しました―――が、お客様からはなかなかお返事がありません。急ぎだというのに…。
夕方になって「お早めにお返事いただけないと、期日に間に合いません」と急かすと、とても言いにくそうに「どれもあまり…。もっとシンプルであっさりとしたものにしてほしい…」とのお返事。
がっくり…。
心を込めて力尽きるまで精いっぱい制作したものだったので、大げさではなく、しばらく立ち上がることができませんでした…。
しかし、反省です。
お客様が求めているものは、クールなものじゃなかったんです。とにかく、極限までシンプルなもの。それから再びお客様とよくお話しし、その3つとは全く違うシンプルなものをご提案しましたら、すぐにお返事が来ました。とてもうれしそうに感嘆符付きで「This is what we wanted!!!!(これ!これだよ!)」。
そこから文字や写真を入れていき、4日間の突貫制作は無事完了。とても喜んでくださったお客様の笑顔を見ると「がんばって良かった!」とこちらもうれしくなります。
どうぞこのウェブサイトがお客様に幸せをもたらしますように。
TeleCommunications様のウェブサイトはこちら↓です。
https://www.calitelecommunications.com/
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「女というものはうるさすぎても駄目、嫉妬深くてもダメ…」などと、男3人が集まって話す内容は現代のそれとさほど変わりありませんね。源氏物語が1008年頃に書かれたものだと理解していても、夢中になって読み進めていると、まるで昨日、周囲で起こっていたことのようにも感じます。何しろ現代の私たちと同じように喜びや悲しみを感じ、恋愛をしながら生きている平安貴族の人々の様子が臨場感いっぱいに描かれているのですから…。あまりにも生き生きとした感情描写に、この物語が描かれた時代のどこかできっと私自身の先祖も笑ったり怒ったりしながら生きていたに違いないと、時代を超えたつながりすら感じられるのでした。
源氏物語によってもたらされるこのつながりの感覚は、きっと1920年代(そしてそれ以降)の西洋人読者も体験したことでしょう。イギリス人東洋学者アーサー・ウェイリーによって英訳され、1921年と1923年に出版された「The Tale of Genji」は、西洋の人々を非常に驚かせました。それまで自分たちこそ文明の最先端にいると信じていた彼らにとって、この感情表現豊かな物語が極東の小さい島国の、しかも女流作家によって編まれたことに衝撃を感じたのです。そしてこの出版により、日本文学への国際的な評価は一気に高まりました。
しかし、日本人が読んでも実に難解な古典を、日本に生涯一度も訪れたことのないウェイリーがどのように翻訳したのでしょうか。その点について、上智大学の故渡部昇一名誉教授が次のように説明しています。
〈会話の中から抜粋〉
「(西洋の人々が)驚いたのは、やはり驚かせるような訳をやったウェイリーと言う人が天才的な芸術家肌の人だったからです。(ウェイリーはまず)最初読んで、それから目をつぶって、どういうことが書いてあるかイメージしたって言うんですよ。イメージして、それをさーっと書いたそうなんです。その後であまり原文から外れないようにチェックする。
だけど、そもそもはひとつひとつ訳していこうという翻訳家の姿勢じゃないんですよ。あるパラグラフをぱっと読んで、その情景を完全に彼の頭の中でして、それを彼の文章で書いて、後でチェックしたんです。チェックが最初にあるような訳では全然ないんです」。
「全体のイメージを捉える」。これは現代におけるトランスクリエーション(通常の翻訳ではなく、心に訴える訳)と同じコンセプトに他なりません。渡部名誉教授は、源氏物語が西洋の国々でこれほどまでに高い評価を得た理由を、この独自の翻訳方法にあったと分析しています。
実は原文よりもおもしろいのでは?という評価まであるのがウェイリーの訳です。どこまで意訳するか…というのは翻訳に携わる私たちを常に悩ませる問題であり、原文へのリスペクトは決して忘れてはならないものです。しかし大抵の場合は、この文章を読んでいる人々に楽しんでもらいたい、幸せになってもらいたい、何か良い影響を得てほしいと願ったとき、その言葉をどう訳すかということへの答えは自然と出てくるものです。
談話の全てをお聞きになりたい方は「アーサー・ウェイリーの英訳『源氏物語』が与えた影響」https://www.youtube.com/watch?v=tcYutegXFOQ
をお聞きください。
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Ruコミュニケーションズ有限会社より
残暑お見舞い申し上げます。
今年の8月はここ2年で初めてゆっくりできる月の「はず」でしたが、なんのなんの。うれしい悲鳴ですね。ありがたいです。
よって周囲が続々と日本へ帰り、戻りを繰り返している中、たった一人だけ、どこにも行かない人になっています。10年に1度しか日本に帰らない力業を発揮しているので、さすがに時々、「故郷は遠きにありて思うもの」を超えて、望郷じょんがらでも歌いたい気分になります。
しかし夏の夜は心地よいですね。
昼とは打って変わって涼しい空気になり、美しい虫の音が聞こえてきます。枕元からも…。
え!?
そうなんです。昨年から家の中でピョンピョン跳ねているコオロギ一家を捕まえるべく、キッチンのボールを持って追いかけては捕まえて外に出す、というのを繰り返していましたが、今年はもう非常に体が疲れていて諦めました。昨日もベッドの横で激しく飛んでいましたが、もう放置。
どれくらいの勢いで子孫を増やしているのか分かりませんが、キッチンなんてもう見事な大合唱です。
しかしある意味、贅沢な夏の夜ですね。
目を閉じて耳を澄ませば、そこはまるで日本の夏なのですから…今夜も心だけは日本に帰ります。
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