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posted 2017-04-22 01:12
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
記憶はすれ違って なんだか物足りないふたり 慣性の法則 ゆるゆると続く回想 もう 視線は交じりを知らない 悲しくもなく 寂しくもなく 想い出にもならない 夢の跡が代りに汚れて ふたりの納得 淀んだ空気の中で無臭 互いの方向に拾う孤独はなく 理由と確信 ドアノブの金属音 時間を捨てる想像の向こうへ G...
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posted 2017-04-21 23:05
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
本日は予定がないため図書館へ。 詩の棚に新しい本が置いてある。 『世界はもっと美しくなる』 詩:受刑者、編:寮千子 (出版社:ロクソン社)という本だ。 奈良少年刑務所詩集の第二弾。 まだ発行されて半年の詩集を手にとる。 前作より纏まった作品が多く、 詩人が書く詩より数段に詩であったりする。 (前作も...
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posted 2017-04-21 22:21
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
なっ、わけで ぼくはそうなんだ えっ、どうして ぼくはこんなに ぼくをそんなに こんなにしてしまうのは いつか観た あの映画のせいかもしれない そうして太郎は 行ってしまったのだから 言葉を捨てられ かなしみの伝言すらできない あっ、いた ぼくが向こうに えっ、どうして ぼくはこんなところに そして...
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posted 2017-04-21 05:58
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
ごきげんよう 私がミスターポエムです ご存知でしょうか 多くを語らない 想像を詰め込んだ 風船を膨らませている者です 流れゆく喜色、怒色、哀色、楽色 感情が揺れるように バランスよく散りばめます どの色をキャッチするかは みなさまのご気分しだいです 迷わずにすっとお取りください あららっ 涙を流され...
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posted 2017-04-19 19:24
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
唸りを上げた朝 喉の渇きに目が覚め カーテンの隙間からは 光が走っている 得体の知れぬ風船は膨らみ続け その時を待っているのか それでも いつもと変わらぬ振りして 何処へ向っているのかも分からず 今日一日を塗り潰しに行く 心の地盤は緩々になって 周りの顔色を覗き 何ひとついつもと変わらぬ 肌色が連な...
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posted 2017-04-19 05:43
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
散ってしまえば 追いかけるように 若葉の新しい色は眩しくて ぼくは両手をひろげ 春の景色ごと 抱きしめるように さあ進んで行くぞ 終われば始まる季節に 遠慮などいらない まだ輝ける時を 過去になんてしないのさ さあぼくは行く 行く行くぼくは行くのさ...
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posted 2017-04-18 07:22
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
ひとがいると ひとりになりたくなって ひとりになると ひとこいしくなって ぼくはわがままで あいかわらず せいちょうしなくて それでもぼくは ぼくをしているわけで それでもひとは ぼくのあいてをしてくれて ありがとうだけは わすれないようにつたえよう...
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posted 2017-04-17 19:27
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
戦争が始まってしまうのか 平和な解決がどんどん向こうへ 今の状況では そう把握するしかないようで 私たちは生き残らなければならない 今まで生きてきた知恵を絞りだし 何としても明日に繋げなくてはいけない もし離ればなれなった時のために 家族間で集合場所を決めておこう 食料貯蓄はあるか 薬はどうだ 水は...
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posted 2017-04-17 06:09
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
君は言った 始まったばかりだ と 僕はまだ 始まっていない と なのに君は逝った 何も始まらず に そして僕は崩れた 受話器の向こうの嘘 と 君は冷たかった 動かず に 僕は現実が何処か わからず に 君の煙は哀しく 悔しい灰色 で 僕の口からは だらし無く白色 で 君は言った 終わった と 僕も終...
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posted 2017-04-17 04:35
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
布が貼りついたような 少し麻痺した頭 湿った春に吐きそうになる 頑張りすぎた後の夜には いつも耐える時間が必要だ 望んで進んでいる道 悔いなどひとつもないが 疲弊すれば心細くなり 詩を綴っている そして救われて 自分と素直に会話をすれば 静かな言葉の森に遊び 疲れた痛みなら忘れさせてくれる ほんの少...