わたしはフェミニストではないけれど、社会で活躍している女性を見ると応援したくなる。 本「私はイスラム教徒でフェミニスト」の著者 ナディア・エル・ブカさんも応援したくなる女性のひとり。 ナディア・エル・ブカさんは、モロッコ出身の移民労働者としてパリに生まれ育ち、セクソローグ ( 性科学医 ) として診療室を開いている。 イスラム教徒でもある彼女は、女性として自分自身を抑え、押し殺し、檻の中で生きるのではなく、自分が女性として生まれた人生を謳歌している。 そんな彼女が書いた本、「私はイスラム教徒でフェミニスト」は、視点がおもしろかったよ。 「女は男の服であり、男は女の服である」 男尊女卑の中にいても、こうやって自由に生きることも可能なんだなと思ったな。 ~ 以下、P189-191 「訳者あとがき」抜粋 ~ モロッコ出身の移民労働者としてパリに生まれ育ったナディア・エル・ブカの自伝的エッセイ。 セクソローグ ( 性科学医 ) として診療室を開き、フリーランスの助産師として活動している。FMラジオ局でラジオパーソナリティーも務めている。 アラブ・イスラム系の若者に向けて性を率直に語る番組で人気を博している。 好奇心旺盛で利発な少女時代のユーモラスなエピソードから、アラブ系難民であふれるドイツで2015年に起きた集団性暴行事件までが縦横無尽に語られ、その合間にセクソローグとして診療室で出会う患者とのやりとりが挟まれる。 性とイスラムに関する固定観念が取り払われ、多様な文化に開かれる開放感を味わえる。 1つは多様なフェミニズムの問いである。 世界各地で #MeetToo 運動が起こり、ここ何年かで女性への暴力やセクシャル・ハラスメントへの関心は急速に高まり、コロナ禍を経て女性の貧困が顕在化するようにもなっている。その大元にあるのは女性への構造的差別である。アラブ・イスラム圏であろうと、ヨーロッパであろうと、アジアであろうと本質的には変わらない。西洋は女性差別に先進的に取り組んでいるように思われがちだが、フランスでも三日に一人の女性がパートナーの暴力によって亡くなっている。 ~ 以上、P189-191 「訳者あとがき」抜粋 ~