2022年、今年もあとすこし。 年末年始を刑務所で過ごす人も世の中にはいるんだよね、、、 「刑務所しか居場所がない人たち」の本を読んだからか、ふと、そんな考えが湧いてきたな、、、 山本譲司さんが著書「続 獄窓記」の最後に、「出所者の問題に一定の道筋をつけなかったら、自分自身の受刑生活が終わらないような気がする」と書かれているように、そんな想いから書かれた本だからか、ホント、いろいろと考えさせられる本だったよ。 生活苦から軽犯罪をわざと起こして刑務所に入る方がいるというのは知っていたけれど、刑務所が高齢者や障害者の福祉施設のようだという実態を知ってびっくりしたな。 刑務所が福祉施設化、、、 日本の犯罪件数は右肩下がりなのに、高齢者の犯罪はどんどん増えているんだそう。 刑務所体験をした山本譲司さん曰く「福祉施設より刑務所のほうがよっぽど福祉的で、個人の考えを尊重している面がある」と。 重い障害や病気のある人たちは、本来ならば福祉に守られて生活しているはずなのに、刑務所で守られている、、、 超高齢化社会の日本、塀の中だけの問題ではなくて、塀の外のわたしたちの問題でもあり、課題なんだろうな。 世界も日本も、障害者福祉は「脱施設・地域移行」に向かっている。 どうしたら、いろいろな人の多様性を受容しながら共生できるんだろうね、、、 山本譲司さん曰く「だれもが安心して暮らせる社会のキーワードは、 " ソーシャルインクルージョン (社会的包摂) " 」だと。 包摂というのは、何かを包み込むという意味なんだそう。 ソーシャルインクルージョンは、社会から排除されているすべての人を、ふたたび社会に受け入れ、彼らが人間らしい暮らしができるようにしようという考え方。 いちばん排除されやすい人たちを包みこめば、だれも排除されない社会になる。そして、もちろん、その中にわたしたちも属している。 排除されやすい人が社会にとけこんでいくためには、住まい、仕事にならんで「役割」が欠かせないと。 「住まい」「仕事」「役割」という支援をうけながら変わっていった人たちが、垣間見られる 映画「人生、ここにあり!やればできる」(予告編(2分7秒) に、支援の仕方の1つが描かれていたよ。 ~ ▲ Memo ▼ ~ ● 本「刑務所しか居場所がない人たち」の著書 山本譲司 ● 1962年生まれ、元衆議院議員。 2000年に秘書給与搾取事件を起こし、一審での実刑判決を受け服役。獄中体験を描いた「獄窓記」(ポプラ社)が新潮ドキュメント賞を受賞。障害者福祉施設で働くかたわら本を執筆し、罪に問われた障害者の問題を社会に提起。 NPO法人ライフサポートネットワーク や更生保護法人同歩会を設立し、現在も高齢受刑者や障害のある受刑者の社会復帰支援に取り組んでいる。 PFI刑務所の運営アドバイザーも務める。 PFI手法を活用した官民協働刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」HP ● 映画「人生、ここにあり!やればできる」 ● 2008年のイタリア映画。 精神病院を廃絶する「バザリア法」が1978年に制定されたイタリアを舞台に、精神病院から追い出された「元患者」たちが、一般社会に溶け込んで暮らす、という社会的実験が行われた時代の実話がもとになっている。