柔道女子オリンピックメダリストの中村美里選手が土曜学校を訪問してくださいました。ご自身が学生だった頃に、夢が目標に変わった瞬間のエピソードはとても心に響くものでした。
大外刈、小外刈などの得意技や大技の背負投などのダイナムッキなデモンストレーションでは生徒から大きな歓声が湧き上がりました。
質問コーナーでは生徒から様々な質問が飛び交い、中村選手と親睦を深めました。
● BCA土曜学校のコラムVol.65●
写真で俳句
秋も深まり、風も冷たくなってきました。色とりどりの葉が風とともに舞う様子や木の下に落ち葉が重なる様子はとても美しい秋の風景です。
BCA2の駐車場の真っ赤な紅葉や落ち葉もとても鮮やかです。今年も紅葉は見事な赤をまとい、落ち葉は落ちるのがもったいないほどの美しい色を見せています。写真を撮りながら眺めていると、校長先生が、「ベルビューは秋が一番きれいなのよ。山の紅葉より、町の紅葉がきれい。」と声をかけて下さいました。
「写真からどんな言葉が出てくるかしら。」というお話を聞いて、基礎国語で写真俳句の授業をしてみました。
はじめに森村誠一さんの写真文章俳句から数点の写真と俳句を紹介しました。難しい言葉もありましたが、何がどのように映っているか、森村さんは何を感じているかを確認しながらスライドをめくりゴールをイメージしてもらいました。
次にお題の写真を提示し、写真から言葉見つけです。
「赤、緑、ピンク、白、緑、紅葉、葉っぱ、木、空、コンクリート、灰色、草」
五感を働かせて、聞こえる音や匂い触れているものも想像してみましょうと話すと、
「サクサク、ポロポロ、ひらひら、ヒュー、ピーピー-、風の音、冷たい、あったかい色、色がみみたい、赤の絵の具、オレンジの絵の具、色がいっぱい、赤が燃える、緑の草、白い空、空が画用紙、絵みたい、じゅうたんみたい、ああ秋、きれいな秋、葉っぱが落ちる、寒そう、寒い絵、明るい、嬉しくなる」などの言葉が出てきました。
写真を見て浮かんだ言葉と感じたことを組み合わせて5・7・5の型に入れてもらいました。
○オレンジと 赤の絵の具 キャンパスに
○寒い日に 赤が燃えそう 空に映え
○秋の葉は あったかい色に なっていく
○赤いもみじ ポロポロ落ちる 色紙みたいに
○冷たい朝 風が落ち葉を 持ち上げる
○赤い木に ピーピー鳴る葉 もみじかな
知っている日本語をしぼりだして一生懸命考えたそれぞれの一句です。
これを機会に、自然にふれて言葉を広げる楽しさを知ってもらえれば嬉しいです。
放課後学習ひろば
場所:BCA2 カフェテリア
時間:土曜日 午後1時30から3時
お問い合わせは saturdayschool@bcacademy.com まで。
毎週土曜学校の放課後に行っている宿題サポート、「放課後学習ひろば」の様子です。
宿題や学習でわからないところがでてくるとやる気がなくなってしまいます。でも、すぐに教えてくれる人がいれば、スイスイ進み自信がつきますね。
● BCA土曜学校のコラムVol.64●
短冊
国語2で「新しい短歌のために」「短歌を味わう」の学習のあと、秋の短歌を詠み書写学習もかねて短冊に歌を書きました。それぞれの素敵な歌は、上の句と下の句の二行で上手に短冊におさまりました。
短冊は、歌や俳句や絵などを書く縦1尺2寸、横2寸縦長の料紙で「たんじゃく」とも読まれ、短籍・短尺・短策・単尺とも書かれます。色紙とともに日本独特の書画用料紙として使われてきました。
もとは簡単な通信に使われていましたが、神仏への願いや占い、呪術にも用いられるようになり、さらに後に短歌や俳句を詠む際に使われるようになりました。
歴史は古く「日本書紀」にも用例が見られます。当初は寸法が一定でありませんでしたが、14世紀中ごろに書式の規定が整い和歌を書く料紙として確立していたと推定されています。
現在は特にきまりはありませんが、今回は和歌を書くときの書式に従って、歌全体を2行、上の句は上から3分の1の線に文字が半分かかるようにする(三つ折り半字かかり)を意識して書いてもらいました。
全員集中した静かな教室で、短時間で丁寧に仕上げました。
生徒さんが詠んだ短歌から10首紹介します。
〇木の色はオレンジや赤美しい 葉っぱのにおい秋のにおい
〇寒い夜ひとりで歩く帰り道 家で心の暖炉をともす
〇朝起きて窓から見える暗い影 また日が出る時を待ち続けている
〇木から落ちいろんな色で風にのり オレンジ黄色美しい秋
〇バス停で冷たい風に暗い空 雨霧静かに秋がはじまった
〇暗い朝外出てみれば霧かかり 静かに雨の音が響く
〇秋の色オレンジかぼちゃ思い出す ハロウィンの夜恋しい気持ち
〇曇り空あたってくる風つめたいが 見上げた木の葉あたたかい色
〇秋の風色とりどりの葉が躍る 夏も終わって少し悲しい
〇秋の夕べ風がいたくて家入る お茶の思い出母のあたたかさ
どこで何を見てどのような思いでいるのかを想像しながら、一人ひとりの豊かな感性を味わっています。
紅葉がきれいな季節になりましたね。今日の幼稚部 年中クラスでは落ち葉で”秋の様子”を表現してみました。
運動会が行われました。ダンス、パン食い競走、玉入れ、沢山の競技に皆さんのご参加、ご協力ありがとうございました。
● BCA土曜学校のコラムVol.63●
さらに「紡ぐ」
「紡ぐ」は、繊維を引き出しよりをかけて糸にするという意味です。「思いを五・七・五の言葉に紡ぐ」のように言葉をつなげて文章や詩歌などをつくる場合にも用います。
国語1で「空を見上げて」を学習し、東日本大震災の被害を受けた女川町の中学生の五・七・五にBCAからの七・七を紡いでもらいました。皆さんのあたたかい心が込められた素敵な言葉がたくさんできました。
前の時間に学習した「引用」のパターンに従い、作者の心情をあらわす根拠となる言葉を示して鑑賞文を書いてもらったところ、女川の中学生の言葉に紡いだ七・七の思いがさらに鑑賞文として紡がれ、言葉の力を考えるいい学習になりました。
〇夢だけは 壊せなかった 大震災(女川)
こ の女川の中学生の五・七・五に紡いだ七・七と鑑賞文を二つ紹介します。
七・七
◇夢に向かって また立ち上がろう(アメリカBCA)
鑑賞文
〇〇〇〇は、BCA土曜学校の国語1で一緒に勉強する仲間だ。
「夢に向かって また立ち上がろう」
この七・七を選んだ理由は、私の考えと似ていたからだ。すぐそばで声をかけているかのような「また立ち上がろう」は、震災で悲しむ人々の心に希望を与えたいという気持ちがこもっている。私もどんな困難があろうと夢と希望をもって前に進んでいってほしいと思ったのでとても共感できた。この七・七に人を動かす力を感じた。
七・七
◇壊されたのは 心じゃない(アメリカBCA)
鑑賞文
〇〇〇〇は、BCA土曜学校で友だちになった真面目で優しい人だ。
「壊されたのは 心じゃない」
この言葉は心にずんと響いたので選んだ。住んでいた家も通っていた学校も何もかも津波で壊されたけれど、家族も亡くなってしまったかもしれないけれど、あなたの心はあなた自身の中にしっかりとある。心があるから、夢も希望も未来もあるんだよ。だから頑張ってという〇〇〇〇さんのメッセージに感動した。とても素敵な言葉だと思った。
教科書に紹介されている言葉に、生徒さんの豊かな感性が加わりどんどん広がっていく言葉の世界、とてもいいなぁと思いました。
言葉は、人の心を癒したり励ましたりする力を持つことを感じてくれたことを嬉しく思います。
今週はいよいよ運動会!
10月12日(土)2月
第1部: 幼稚部・1年生 10時〜12時
第2部: 小学部2年生〜6年生 13時〜15時
*開始10分前には必ず体育館に集合して下さい。
中高部は通常授業です。
クラス写真の撮影を行いました。
毎年のことですが、みなさんの笑顔がとても眩しく感じられます。
● BCA土曜学校のコラムVol.62●
「美しい日本語」
国語2で、大岡信さんの「言葉の力」を学習しました。言葉と人間の関わりや美しい言葉とは何かについて考えさせられる教材です。
アメリカで生活しながら一生懸命日本語を学ぶBCA土曜学校の生徒さんは、どんな日本語を美しいと思っているのか知りたくて、授業のはじめに「美しい」と思う日本語は何かを問うてみました。
美しい日本語と言っても様々な切り口があるので、響きが美しく意味に奥行きが感じられる大和言葉から25の言葉を示し3つの言葉を選んでもらい集計したところベスト5は以下の通りでした。
1位 【うららか】 空がよく晴れて穏やかな様子。明るく晴れ晴れとしている様子。
2位 【せせらぎ】 浅瀬に水が流れる音。小さな流れの音。
3位 【恐れ入ります】 すみませんの丁寧語。感謝の気持ち、申し訳ないと思う気持ち。
4位 【泪に沈む】(なみだにしずむ) ひどく泣いて、嘆き悲しむ。
5位 【心を寄せる人】 好きな人。好意を持った人。
「心を寄せる人」という言葉を選んだ人に理由を聞いてみると、「好きな人がいる」というストレートな言葉より心の中の思いが深いように感じられる。愛する気持ちをあたためているように感じる。優しくあたたかい気持ちが伝わってくるなどという答えが返ってきて驚きました。感性の豊かな生徒さん達です。
〇提示したその他の大和言葉
・心待ちにする ・思いのほか ・このうえなく ・お手すきのときに ・胸を打つ
・おもてなす ・胸にしみる ・面影 ・心配り ・あけぼの ・暮れなずむ
・宵の口 ・うららか ・心ばかり ・奥ゆかしい ・おおらか ・懐が深い
・心を同じくする ・恐れ入ります ・星月夜 ・思い初める ・馴れ初め
大和言葉は、古来から伝わる日本固有の言葉です。かつては和歌や雅語(平安時代に使用された洗練された上品で優雅な言葉)を指していましたが、今は漢語、外来語ではない言葉を指すようになりました。
響きがやわらかく耳なじみがよい大和言葉は、堅苦しさを感じさせない丁寧さと品の良さがあります。また、例えば「感動」という漢語が「胸を打つ」「胸にしみる」「心に響く」などに置き換えられるように、様々な言葉で表現することができます。
豊富な語彙で自分の心を豊かに表現するために、これからも積極的に大和言葉に触れ「美しい日本語」を習得していってほしいと思います。
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