はぐれ雲
Sep
10
はぐれ雲は高層ビルに隠れ
僕の様子を想像している
あれは夢ではなかったはず
孫悟空のように君に乗っていた
君は僕の指笛から逃れようと
抵抗してじっとしている
それなら驚かしてやろう
ガラス張りに写るしのび足で微笑み
高層ビルの角まで進んでみる
僕を乗せてどこへ行くんだい
それで君が解放されるのだから
さあ、僕を乗せて……
あれっ、一面の青空
雲ひとつない眩しさを浴びる
ああ、僕がはぐれ雲だったんだ
自分に諦めた時、君とはぐれたんだ
僕はいつしか追いつくだろうか
心が雲に乗るだろうか