火曜日、朝、雨
Sep
12
水たまりには波紋
ビニール傘が雨空を透かす
駅に着く
雨がっぱを脱ぐひと
タオルで拭くひと
綺麗に傘をたたむひと
滑らないように乗り込む
車窓からはどんよりな風景
薄暗い朝が続き
雨音を聞こうとするが
やはり電車からは聞こえない
誰かの傘が倒れて
ハッと火曜日の朝に戻される
晴れの日を模しながら
なるべく何時もと変わらぬよう
ひとは雨を避けながら過ぎてゆく
雨を楽しみ余裕はないけれど
心の何処かを潤しながら
火曜日の朝は淑やかに始まった