足元が濡れ 水たまりには波紋 ビニール傘が雨空を透かす 駅に着く 雨がっぱを脱ぐひと タオルで拭くひと 綺麗に傘をたたむひと 滑らないように乗り込む 車窓からはどんよりな風景 薄暗い朝が続き 雨音を聞こうとするが やはり電車からは聞こえない 誰かの傘が倒れて ハッと火曜日の朝に戻される 晴れの日を模しながら なるべく何時もと変わらぬよう ひとは雨を避けながら過ぎてゆく 雨を楽しみ余裕はないけれど 心の何処かを潤しながら 火曜日の朝は淑やかに始まった