Loopy
Sep
13
螺旋を描き
ダーツのように大地を刺す雨
泥は隆起し足枷となり
俺の足は奪われる
腹を空かした禿鷹が距離をおき
俺という獲物の様子を伺う
すでに食物連鎖を
俯瞰している立場ではない
だが俺はまだ生きている
お前達が集まるにはまだ早い
失せろ
失せろ
俺は終わっていない
次第に
腐食してゆくカラダ
弱気から捻じ込んでくる死
疲弊した俺の前に
甲高い声で笑い
黒マントの悪魔が降りてくる
トドメを刺すのか
凍りつくような微笑
悪魔の指は
俺の頭を鷲掴もうと腕を伸ばす
俺は睨み返し唾を吐く
悪魔は再び微笑み
低い声で
死ね
消える悪魔のカラダから
無数のコウモリが湧く
月を覆い尽くすコウモリ
雨の暗闇
空気に亀裂
雷がメトロノームを刻むように
音を立て光を放つ
断続的に暴れ狂う馬
確実に俺に向かっている
一枚づつ姿を変える馬
前足が消え
後ろ足が消え
頭部が消え
胴体が消え
それでも俺に勢いは来る
残された尻尾が波打ち
俺の頬を叩く
目を閉じる反射
ガラスの割れるような音
耳からカラダ全体に響き
神経が潰れる痛み
限界を越え
振り出しに戻る
月に雨
螺旋を描き
ダーツのように大地を刺す雨
泥は隆起し足枷となり
俺の足は奪われる
腹を空かした禿鷹が距離をおき
俺という獲物の様子を伺う
月に雨
生への執着止まずに