騒なき詩人(ぞめなきしじん)
Sep
26
俗世界を脱け出す
言葉を捨て
暮らしを捨て
葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず
煤けた馴れ合いの衣を剥ぎ取り
裸の表現者に微塵の躊躇はなし
芸術の道具など要らない
言葉以前の世界で叫びの匂いを感じ
赤子になった全身からは唸りだけが発する
空間の揺さぶる振動は魂を燃やし
塵灰(じんかい)となった生き様
その浮遊した足掻きは風に飛ばされ
詩人は跡形もなく歌い切る
葷酒山門に〜
…葷酒は、心を乱し修行の妨げになるので、寺の門内に持ち込むことは許さない。禅寺の山門の脇の戒壇石に刻まれる言葉。(デジタル大辞典引用)
葷酒
…仏教用語。葷と酒のこと。葷とはねぎの類に属する植物をいい,これらは刺激性が強く臭気があるため,酒と同様に仏教の出家修行者には禁じられている。
(コトバンク引用)