俯瞰座禅儀(ふかんざぜんぎ)
Sep
27
邪念を渡る橋はなく
立ち止っては孤立無援(こりつむえん)
ならば
此処に坐り
消せぬ己の鬼
対峙の恐れに臨(のぞ)めば
ありのままの己に習う
己を観ずにひとは観えず
舞うひとを観て己は観えず
己を観入ってひとを観る
ただ
此処に坐り
己の仏を掌(てのひら)に
命脈を保ち心身脱落
浄土に坐る蕾ひとつ
救い手の花びら八方開き
自由を齎(もたら)し悟りの一輪
此処に坐り
己を照らし世を照らす
禅の道は浄土への道
孤立無援 / 三省堂・実用日本語表現辞典より引用
…仲間・味方だれもおらず、助ける者もいないさま。自分だけで戦う様子。
心身脱落 / 三省堂・実用日本語表現辞典より引用
…道元の用語。身と心の束縛から自由になり、真に無我になりきった悟りの状態。