雑念なき文藝
Mar
3
それで賞が頂けたのなら拒まない
だが自分から賞を貰うことも念頭にあって
作品を送りつけるのは
何だか違うような気がする
そこまで自分の表現をアピールすることに
純粋な意志を汚してしまう
そういったものは
後からついて来るものであってほしい
特について来なくても良いものであってほしい
作品との出会いは自然で
素晴らしい景色と遭遇するように
偶然の微笑ましい純粋が入っていれば
なお素敵なのだから
誰がどんな詩を書いてなんて
消えてしまっても良い
その作品の世界に入り込むだけだ
もし名前を出して表現するとするならば
自分自身が題目になり
生き様が文藝に反映することに終始
捧げられるかどうかだ
自分の作品を読んでほしい気持ちは
生きがいのひとつになるだろう
だが作品に肩書きを添わそうとすれば
一歩先の表現に霞すみながら進み
前に歩いているつもりが
行き先も解らず後退しているようなもの
作品が素晴らしいかは
雑念なくそのひとのものであってほしい