どこかで作品が読まれ それで賞が頂けたのなら拒まない だが自分から賞を貰うことも念頭にあって 作品を送りつけるのは 何だか違うような気がする そこまで自分の表現をアピールすることに 純粋な意志を汚してしまう そういったものは 後からついて来るものであってほしい 特について来なくても良いものであってほしい 作品との出会いは自然で 素晴らしい景色と遭遇するように 偶然の微笑ましい純粋が入っていれば なお素敵なのだから 誰がどんな詩を書いてなんて 消えてしまっても良い その作品の世界に入り込むだけだ もし名前を出して表現するとするならば 自分自身が題目になり 生き様が文藝に反映することに終始 捧げられるかどうかだ 自分の作品を読んでほしい気持ちは 生きがいのひとつになるだろう だが作品に肩書きを添わそうとすれば 一歩先の表現に霞すみながら進み 前に歩いているつもりが 行き先も解らず後退しているようなもの 作品が素晴らしいかは 雑念なくそのひとのものであってほしい