今宵も僕のように 上弦の月を指さしながら 何人もの詩人が 幻想の夜空にいるのだろう 生活の糧になる訳でもなく ただ価値観はよく解っていて 月の色を想像せずにはいられない 声を出して笑う楽しみではないが 充実を得る静かな楽しみはある 向き合ってもいないのに 視線を感じてしまう精神から 綺麗なモノが通り過ぎたり 汚いモノが溢れ出したり 迂回路の途中に時計をぶら下げ 歪んだ時間は芸術的な飛び方をする 僕らは蒼き魅惑の中 彷徨える充実の羽をひろげ 何処までも月へ向かう