久しぶりに難しい本を読んでいる。普段、あまり本を読まない私なので、勉強不足なのか、子どもの頃からの短期記憶が数字三桁という脳みその問題か、わからない漢字が多すぎる。理由はともかく、わからない漢字を飛ばすのも気持ち悪いし、調べながら読むが「知ってるよ、そんな漢字」と答えを見て呟く情けない感じになっている。十年前くらいにあれっと気づいた。私の場合は記憶力が乏しいが、印象の強かった出来事や思い出はけっこう鮮明に覚えている。その時の心情とか匂いとか。それをどうにか詩を書く時に活かせないかと考えるようになった。それにしても漢字が覚えられないということで、広辞苑を読めば私にとって印象の強い漢字が覚えられるだろう、と。だが、今度は長期記憶の問題が発生する。覚えたはずの漢字が長期記憶から想起できないのである。年齢も関係するのかなあ。だから、広辞苑を読破しても知識的には何も得ていない感じであった。しかし、読んでいる時は旅でもしているような、そう言葉の旅をしている気分がいま思うと詩を書く上で身になっているのだろう、と勝手にポジティブシンギングしている。その旅をもう一度しようかと思うが、うーん時間がさすがにないなあ。まあ、読めなくてもだいたい漢字の意味は経験でわかるので、まあいっか、こんな私で。