珈琲豆を挽くとき
Jun
12
今日は土曜日。
いつもなら珈琲メーカーをセットして寝るのだけれど、お休みなので準備しなかった。
ゆっくり起きた6時半。
まずは珈琲をば・・・と、珈琲豆の入っている戸棚を開けたら、
ビューーーン!!
パス公が寝室から飛び出してきた。
パス公、珈琲豆を挽く音が嫌いなのだ。
いや、嫌いだった。
一番最初にその音を聞いたとき、彼はけたたましくキッチンにやってきて、ハフハフと落ち着きなく動き回った。
なになになに?マミーそれなに?ぼくはその音がキライだ、なんでそれする?なにそれ?いやだそれ、それキライ。
と言ったかどうかはわからないけど、そんな感じだった。
わたしたちは、グラインダーの音に驚いたのね〜と笑い合ったのだが、翌日もその次の日も、パス公はわたしが珈琲豆を挽くときは必ずキッチンにやってきて、なにそれ?なになになに?と、騒いだ。パス公大丈夫だよ、これは珈琲です。珈琲は毎朝のむからね、これ毎日することなんだから慣れてね、となだめる毎日。ときには珈琲豆(挽く前のもの)を見せ、匂いを嗅がせ、ときにはグラインダーを見せて(中身は空)、これはウェポンでもなんでもないんだよ、と教えた。
その甲斐あってか、以前のように危険視する風ではなくなった。
が、それでも毎回、珈琲豆を挽くとき(実際には、グラインダーを戸棚から取り出すとき)には、どこからともなくやって来て、わたしの傍にいて、じっと見ている。ダイニングルームとキッチンフロアはカーペットじゃないので、足が滑る。のに、猛スピードでやって来るので、わたしのところにはスライディングみたいな感じで到着する。
パス公いい?今から珈琲豆を挽きますぜ。
そう言って、グラインダーのボタンを押す。パス公はハフハフしながらじっと見ている。大抵、豆量が多くて2回は挽くことになる。彼は終わるまでじっとそれを見ている。
ほらね、大丈夫だったでしょ。一緒にいてくれてありがとう!
そう言ってグラインダーをしまうと、あ、終わったのね、という感じで去っていく。
果たして珈琲豆を挽く音が嫌いなのか好きなのか?
よくわからない男、パス公。
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Posted at 2021-06-12 13:08
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Posted at 2021-06-13 12:08
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