内倉憲一 ニュースレター Vol. 206 アジャイルソフトウェア開発
Nov
9
アジャイルソフトウェア開発
我々のような独立系で小規模なソフトウェア開発会社は、言うまでもなく GoogleやMicrosoftと言った大企業と同じマーケットで戦うことは無理です。それは、大工に高層ビルの建築を依頼しないのと同じで、小さなソフトウェア開発会社に巨大なプロジェクトを任せる企業や組織はないのです。
それは小さな会社には技術と経験以外にリソース(人・もの・金)がないからです。では小規模のソフトウェア開発会社はどうやって生き残ることができるのでしょうか。それは隙間市場(ニッチマーケット)を発掘することだと私は思っています。ニッチとは、英語ではくぼみや隙間を意味します。大企業がその膨大なリソースを動かすに足らない小さなプロジェクトをこまめに拾い上げて、ビジネスを作り上げることが小規模のソフトウェア開発会社の強みなのです。
ニッチマーケットでビジネスをする場合に必要なことは、市場の動向をいち早く獲得することではありません。大切なのは、今お客様が何に苦労しているのかを直に理解して、その問題を解決するためのソリューションを短い期間で安く提供することです。ですから、作られる商品は決して世界最新の技術を持つものではありません。どちらかというと、地味な仕事を自動化するなどといった実用的なアプリケーション開発なのです。
また、コストを削減して良い製品を納品するためには、開発サイクルをできるだけ短くする必要があります。ソフトウェア開発のコストで最も大きいものは言うまでもなく人件費だからです。また開発サイクルを短くするためには、製品のコンポーネント化が必要です。同じようなファンクションをその動作が必要な度に開発していたのでは時間の無駄です。できる限り共有できるファンクションを使い回しできるように設計することがコストセーブに繋がります。
よく持っているリソースを「引き出し」という言葉を使って表現しますが、ソフトウェア開発においては、持っているファンクションライブラリ(引き出し)の多さが大切なのです。皆様の中で時間のかかる手作業がありましたら、一度ソフトウェア開発を考えてみませんか。ソフトウェアは一度開発すれば、以降何度使っても追加の費用はありません。これを今の言葉でデジタル・トランスフォーメーションと言います。
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内倉憲一(うちくらけんいち)
米国 Pacific Software Publishing, Inc. 代表
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米国で最初のコロナウイルス感染者が発見された2020年1月20日からの経過日数。
Posted at 2022-11-09 12:04
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