経営の一歩目は金勘定
多くの経営者は、自社の商品やサービスが幅広く利用されることを願っています。顧客が喜ぶ商品を開発するために力を注ぐことは重要ですが、ビジネスを成り立たせるためには金銭面の管理も欠かせません。商品開発や人件費、家賃、光熱費など、さまざまなコストがかかります。さらに、企業としての税金も支払わなければなりません。そのためにも、正確な経理処理が不可欠です。このようなバックオフィスの経費は、サラリーマンの頃には意識する必要がなかったことです。
仕事をしていて、自分の座っている席の家賃はいくらだろう、なんて考えたことはありますか。経営者になると、机1つ、鉛筆1本に至るまですべてに経費がかかります。そしてその経費は会社が負担しなければなりません。しかし、会社は最初からお金を持っているわけではありません。鶏と卵の関係ではありませんが、お金がなければ会社を続けることはできませんし、会社が繁栄しなければお金は増えていきません。
最初は経費を少なくするために社員を雇わず、すべてを自分1人でこなすことになります。最低賃金の概念は経営者にはありません。何十時間、何百時間働こうとも、会社にお金が入ってこなければ給料は出ません。それを理解した上で会社を経営する場合、会社の規模にかかわらず収支を明確に理解することが必要です。
経理が苦手などと言っている場合ではありません。会社が現在どれだけお金を持っていて、今後どのような経費が発生するのか、そしてどのような収入が期待できるのかを明確に把握する必要があります。営業や製品開発に取り組むことも大切ですが、最も重要なのは会社の健康状態を把握することです。その唯一の方法は会計情報です。経営者の皆さん、会社の収支だけでなく、その状況を理解するよう心がけてください。
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内倉憲一(うちくらけんいち)
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