シーチキンの源流 もともとシーチキンは1958年に後藤缶詰所(今のはごろもフーズ)が商標登録したもので、その食感と色がニワトリの肉に近いことから名づけられた……そんなエピソードが知られる。高度経済成長によって相対的にツナ缶が手ごろになったこと、内販拡大を支えたはごろも隊の活躍が後押しして、「ツナ缶」を日本の市場に根付かせた。シーチキンファンシーは命名当初から今に至るまで姿かたちを変えラインナップされ続けていたと記憶する。 なお「今も売ってる中で日本最古のツナ油漬缶」は、シーチキンではなく三洋食品のプリンス赤缶(1953)で、創業者のこだわりを堅持することでシーチキンとはまた異なるファン層を獲得している。 今回取り上げるのは、シーチキンの中でもっとも伝統的な大型の缶だ。以前は180gほど入っていたが、2018年に裾を絞ったパッケージに変わり140gになっている。個食向けの小さい缶バージョン(75g)はNo.128(ツナ缶入門に収録)を参照されたい。 入手性はさすがシーチキンという感じで、実店舗でも頻繁に見かける。ビンナガを使ったホワイトミート缶の中で最もお店で見る機会の多いツナ缶といえるだろう。 筆者個人の意見だが、もしもまとめ買いするなら、同じびんなが綿実油漬の由比缶詰所・まぐろ油漬ソリッドのほうが送料足しても安く、似たような味を提供する。あわせて検討してほしい。2019.5製造。 ☆缶を開けたところ 大きい缶に身が詰められている。とても綺麗というわけではないが、崩さずに詰まっている。なお、箸で取り出すことも、缶蓋の裏から空気を入れてプッチンすることもできない。十分に注意して取り出さないと崩れてしまう。 食感も下味もしっかりついていて、他の調味料が少なくても物足りなさを感じない。 「G2」の記号を背負うプライドをひしひしと感じる、名門はごろもの、名門らしいツナ缶。 これが入ってるシーチキンギフトも「極端に高い」わけではないので、手堅く済ませたいときに使ってみよう。 このあと焼きそばでいただきました。 ☆各種評価、スペック ・グレード ★★★★☆ 4.5 ・価格 ★★★★☆ 4.8 #429円/個 しずてつストア ・味覚評価 ★★★★☆ 4.7 ・入手性 ★★★☆☆ 3.5 #ヨドバシでもスーパーでも見かける ・原産国 国産 ☆スペック 固形量105g / 内容総量 140g 396kcal/缶 たんぱく質30.4g 食塩相当量1.2g 原材料 びんながまぐろ、綿実油、食塩、野菜エキス/調味料(アミノ酸等) JAN:4902560000505 製造固有記号P3 G2 製造者 はごろもフーズ株式会社(静岡県静岡市清水区島崎町151) 製品ページ Tuna canning review No.146 ☆ツナ缶スーパーリンク! ・(No.143)由比缶詰所の白いやつ(小型缶) →中身で直接競合。大きい缶も似たような中身だが、取り出しやすさははごろものほうが若干優位。 ・(No.135)オーシャンプリンセス水煮 →珍しい「ビンナガの」「水煮」ソリッド缶。シーチキンファンシーとこいつをローテする米帝プレイしたい。 ・(No.170)シーチキンフレーク →本缶の身をほぐしたのがこれ。もともとソリッドの副産物だったほぐし身を醤油砂糖で煮付けたのが味付缶、そのあとほぐし身を油で漬けて新製品にしたのがフレーク缶というルーツを持つ。